◇102話◇【弟Side】 ページ8
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「……あははー、あはははー」
「若、お気をお確かに!!」
「ど、どどどどうしようぅうううう?!?!」
「………なんだコレ」
いや、本当になんだよこの状況。
謎の叫び声の主を解き明かすべく王宮へやって来たのだが、そこで見た光景は、何故か虚ろな目で笑っている不気味なアリババと、それを止めようとするバルさんこと、バルカーク。
さらにそれを見てパニックを起こしているサブマドの3人。
カオス過ぎて何も言えんよ。
「バルさん、アリババに何があったんだ?」
俺の存在に気付いたのか、バルさんはアリババを両手でガッチリとホールドしながら振り返る。
「(人1)殿!、説明はきちんと話すので、まずは若をどうにかしてほしい!!」
そう言ってバルさんは、俺にアリババを渡してきた。……え、ちょ、バルさんマジで?
不気味な笑い声を発しながら、虚ろな目で宙を見上げるアリババは、正直言って気持ち悪い。
たとえば想像してみろよ、死にかけの目の濁った魚がピチピチ跳ねてるみたいな感じだ。気持ち悪いだろ?なっ??
って言う事で。
「とっとと正気に戻れ、キモババ!!」
ドゴッ!っと勢い良く、俺はアリババの頭に踵落としを食らわせた。ちなみにマジの方で。足は毎日鍛えってっから、骨にヒビが入ることは無い。かなり痛いけど。
「いっでぇえええええええええ?!?!?!」
痛みのショックにより、アリババが正気に戻る。だが、その代償は大きい。
「マジ痛い!!頭割れる!!痛い!!」
そう言ってうずくまり、バタバタと足を動かして悶絶してる。俺の踵落としは致命傷な技らしく、カシム曰く『もろに受けて倒れない奴は最強』らしい。
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「いだいぃいいいいいい?!?!?!!」
「うるせー」
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とりあえず、アリババの声がうるさくてバルさんの事情説明が聞けそうにないから、収まるまで悶え続けるアリババを観察することにした。
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玲 - 今までみた中で一番面白いですこれからもどんどん書いて行ってください (2015年10月4日 22時) (レス) id: b6c64fc5ff (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ - あっ、私は、ジュダルとくっついてほしいです!!!! (2015年9月5日 18時) (レス) id: f5ed3cf1fa (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ - 頑張ってください!更新待ってますね( ^ω^ ) (2015年9月5日 18時) (レス) id: f5ed3cf1fa (このIDを非表示/違反報告)
シャイン(プロフ) - 弟すごいですね!かっこいいー!! (2015年8月21日 19時) (レス) id: 68560ee8d2 (このIDを非表示/違反報告)
kyuu@歌い手love(プロフ) - 氷魔法はサグルじゃなくてサルグですよー (2015年8月21日 18時) (レス) id: e51e41bcea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千夜一夜月 x他1人 | 作成日時:2014年11月30日 16時