◇139話◇【弟Side】 ページ47
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「どうなってんだよ、コレ……!!」
アリババ達と一旦別れて、王宮の廊下を歩いていると、何故か貴族がギャーギャーと騒いでいた。しかも、途中途中で『担保』やらなんとか聞こえてくる。担保?担保って、オイ
「どういう事だよ、担保って、一体……?」
「庶民は黙ってろ!!」
俺の言葉に、顔を真っ赤にさせた貴族の一人が怒鳴る。オイ。
「ふざけんな、何が庶民だよ、お前ら」
「貴様、貴族に向かって、お前呼ばわりだと?!」
「テメェこそ質問の答えになってねぇだろ、まさか……担保ってのは、借金か?」
低い声でそう発っせば、たちまち貴族共が顔を真っ青にする。……ぁあ、そうかよ!!
「そういやぁ、この貿易を結ぶ話、お前らが勧めてきたってバルさん言ってたなぁ……なるほど、なぁ……」
ダンっと勢いよく足を踏めば、ヒィ!っと貴族が悲鳴をあげる。何時も何時も、私利私欲の為にコイツらは……!!
「ふざけんのも大概にしろ、バカ貴族……この落とし前はテメェがつけろや、お前らがジャラジャラ付けたり飾ったりしてる宝石やら売り飛ばして返せよ!!」
「そ、そんな事!!」
「出来ねぇ?…はっ、庶民から金貪り取ろうて事考えるお前らが、自分のモンは売り飛ばせねぇ?あーそう、そうかよ」
足音も立てず、貴族の一人の前に立ち、恐怖で開いている口に手を突っ込む。
「ムグッ?!」
「知ってっか?とある異国では、人間の臓器も売れるんだぜ?」
「?!ムググっー!!」
ジタバタと俺から逃げようとするが、力を込めたから動けねぇだろうな?何時も遊ぶ以外に動かねぇ奴と、毎日動いてる奴との違いだ。
「テメェのその、贅沢三昧で肥えた臓器……一体、いくらの値段がつくのだろうか……なぁ?」
耳元で、ドス声で囁けば、呆気なく貴族は気絶した。残りの奴らも、俺を見るなり悲鳴をあげて逃げ去った。
「うぇ、気持ち悪」
唾液でベタつく手を振り回す。おそらく、紅玉はこの事、知らねぇだろうな。アリババとの会話、盗み聞きしてたけど、んな事言ってなかったし。てことは、あの覆面野郎の仕業。
「Aは、知ってんのか……?」
Aは、反逆軍とはいえ、今はあの覆面の手先。何か知ってるだろうか……たしか、あいつも王宮にいるはず…………よし
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玲 - 今までみた中で一番面白いですこれからもどんどん書いて行ってください (2015年10月4日 22時) (レス) id: b6c64fc5ff (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ - あっ、私は、ジュダルとくっついてほしいです!!!! (2015年9月5日 18時) (レス) id: f5ed3cf1fa (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ - 頑張ってください!更新待ってますね( ^ω^ ) (2015年9月5日 18時) (レス) id: f5ed3cf1fa (このIDを非表示/違反報告)
シャイン(プロフ) - 弟すごいですね!かっこいいー!! (2015年8月21日 19時) (レス) id: 68560ee8d2 (このIDを非表示/違反報告)
kyuu@歌い手love(プロフ) - 氷魔法はサグルじゃなくてサルグですよー (2015年8月21日 18時) (レス) id: e51e41bcea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千夜一夜月 x他1人 | 作成日時:2014年11月30日 16時