◇99話◇【弟Side】 ページ5
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「おう、ただいまカシム」
「おう、おかえり」
たったそれだけの会話のやり取りだが、何故かホッとしてしまう。
「てか、俺は別にマリアムを口説いてねぇぞ?」
「く、口説くって、お兄ちゃん、な、何言って?!」
俺の隣でマリアムが口をパクパクと動かす。俺の何処がマリアムを口説いてんだ?
そんな俺を見て、カシムはデカイため息をついた。
「普通さ、そんなストレートに綺麗とか言うか?」
「綺麗なのは、本当だからいいじゃん?確か旅の途中で届いた手紙には、マリアムが告られたって話もあったじゃん」
「お兄ちゃん?!そんな事書いてたの?!」
「あ、いや、書くことなかったし…」
どうやら、たった今知ったらしいマリアムは、さらに顔を赤くする。あ、マリアムがカシムに詰め寄ってる。
母さんはそれを見て、ニコニコと笑ってる。だんだん怖くなってきた….
「そういえば、アリババは?」
これ以上、手紙の内容をマリアムが追求しないように、カシムが話を変える。
「あぁ、アイツ、なんか『先行っててくれ』って、どっか行っちまって……」
「へー?アイツにしては変だな?」
「ばっちし嘘付いてるのわかったぜ、あれ」
「……本当アイツ、嘘付くの下手だな」
カシムの意見に俺も同感だ。
そんな会話をやり取りしている間、母さんが湯を沸かしに奥へと入って行った。どうやらカシムとマリアムの分のお茶を用意するようで、マリアムも手伝いとして奥へと向かった。
「とりあえず、座ったらどうだ?」
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やることも無いし、俺とカシムはお茶が出されるまで待つことにした。
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玲 - 今までみた中で一番面白いですこれからもどんどん書いて行ってください (2015年10月4日 22時) (レス) id: b6c64fc5ff (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ - あっ、私は、ジュダルとくっついてほしいです!!!! (2015年9月5日 18時) (レス) id: f5ed3cf1fa (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ - 頑張ってください!更新待ってますね( ^ω^ ) (2015年9月5日 18時) (レス) id: f5ed3cf1fa (このIDを非表示/違反報告)
シャイン(プロフ) - 弟すごいですね!かっこいいー!! (2015年8月21日 19時) (レス) id: 68560ee8d2 (このIDを非表示/違反報告)
kyuu@歌い手love(プロフ) - 氷魔法はサグルじゃなくてサルグですよー (2015年8月21日 18時) (レス) id: e51e41bcea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千夜一夜月 x他1人 | 作成日時:2014年11月30日 16時