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第五十七話「光の異能力者」
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第五十七話「光の異能力者」 ページ42
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どうして、勝手に光が。
パールの心臓を守った光球は、ガラスのように音を立てて宙に消えていく。この状況で一番混乱していたのは彼女であり、ぶるーくは思考を止めてはいけないと頭を回転させる。
目の前で優雅に花を咲かせた青薔薇が、彼を嘲笑うように光を増す。
「Aくんを返して」
「…なら、ぴくと様を返してください！」
彼女の右手に集まっていた光が、巨大なハサミへと姿を変える。民を守るための力が凶器となりうる刃を生み出したことに、彼女は驚きを隠せなかった。
「僕と戦う気？」
ぶるーくは何歩か後ろに下がり、彼女と距離を取る。
「戦う前に教えてください。私は何者なんですか…？」
バキン、と音を立てて崩壊する封印。宙に消えていく青い光。その光景を目にしたことがある彼は、無意識の内に足が動いていた。
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作者名：葡萄。 | 作成日時：2023年4月5日 17時
