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ともさんが淹れてくれた紅茶を啜る。ぺいんとはまた布団で身を隠してしまい、あの後会話が続かなかった。
ともさんは一息吐いた後、真剣な眼差しでこちらを見る。片手で頬杖をする彼の目は、初めて会った時と同じ。俺を商品として品定めするような目だった。
「俺の目的は、シュヴァルツ国王の秘密を知ることです。この間、ヴィーア帝国とシュヴァルツ王国の短期戦争があったのはご存知ですか」
「もちろん。君達が大活躍だったみたいだね」
「俺は何もしてないんですが…。ヴィーアとシュヴァルツは前代の時から元々仲が悪かったのですが、宣戦布告も無しに戦争を仕掛けてくることは今まで一度もありませんでした。
それに、戦争が起こる前、世界首脳会議がありました。そこで何かがあったに違いないんです。
ヴィーアは戦争屋とも言われている戦争国家。彼らが何の意味も無く攻めてくることがあるでしょうか。
領土の拡大を目的としているのなら、首都を狙うはずです。奴らは世界で一番、異能力者がいる国なのでその気になれば一つの国をすぐに滅亡させることだってできる」
「…でも実際、君達が勝っているけど？」
「敵の異能力者の様子が明らかにおかしかった。彼らは俺たち異能力者を徹底的に狙っていた。総統からそのよつに命令されていたようです。ただし、絶対に殺すな、と。
彼らは口を揃えて『総統の目的は知らない』と言いました。ヴィーアの今の総統は、歴代の中で一番優秀です。国から良いように扱われてきた異能力者たちが、信頼を置いているほど」
「だから、ヴィーアが何の目的も無しに攻めてくるはずがないってことね。
でもさ、君の話はあくまでも憶測がほとんどだ。信憑性は…何も知らない第三者の僕からしたらゼロに等しい」
「……シュヴァルツ国王は異能に執着しています。今まではそんな風に見えなかったのですが、異能を継承してから、国王の俺に対する目が変わりました。
前国王はかなりの暴君で、異能力者を道具としてしか見ていませんでした。国民からの支持もなかった。ある日突然、その国王の姿が消え、急遽今の国王がトップになりました。
国民からの支持回復を初めに、国王は力を伸ばしました。そして新たに生まれた異能力者たちを集めたんです。
前国王と同じ過ちをおかさないよう、慎重に異能力者を扱っていました。自分を知られないように、異能力者を城から少し離れた山の方で生活させていました」
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作者名：葡萄。 | 作成日時：2023年4月5日 17時
