~Spring~ 3day (後編) ページ6
手を引かれ着いた場所はすぐお隣のさっきよりは小さめな和室。
彼は優しく私をそこまで連れて行ってくださるとまた机を挟み向かいう。
少し沈黙が続いたが彼がその沈黙を壊し
“お名前聞いても…?”
そう訪ねてきた。私は顔を上げ
“A です…!”と彼の顔を見ながら言った。
彼は“元気ですね…”なんて言いながらクスクスと笑っていた。
先程までずっと真顔で少し怖いな…なんて思っていたさっきの私を殴ってやりたいくらいに優しい笑顔だった。
“申し遅れてしまいましたね。私の名は月彦。ご自由にお呼びください”
笑いが収まると彼…ではなく月彦様がお名前を教えて下さいました。
お互いの自己紹介などを終えると親同士が喋っている間他愛もない話をしてずっと盛り上がっていました。
女中としてお話、街には色々なものがあるらしいと言う興味の話、自分の事…
今思えば私ばっかりがベラベラと喋っていた。
ですが、月彦様は嫌な顔せずずっと話を聞いていてくださいました。
そして時は流れ3時間程度経った頃には昔からの知り合いのように2人は話していました。
今は私がベラベラと喋っているだけではなく月彦様も同じように自分の事などを話してくれる。
お互い体調の事なんて忘れて…
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作者名:天野 空 | 作成日時:2020年12月19日 0時