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第二話 ページ2

「どうして花火大会に誘う勇気はあって告白は怖じけづくんですか。」


「そうよAちゃんっ!」



次の日。


いつも恋愛相談をしている二人に、私は今日も今日とて泣きついている。



「だってぇぇ。」


「だってじゃないですよ。これまで何度もいい雰囲気になっているのに、未だに成功させたことないじゃないですか。」



それは本当に申し訳ない。


放課後の告白プランもせっかく考えてもらったのに、逃げちゃって。


「ごめんなさい。またダメでした。」



でも一つ言わせてもらうと、花火大会のお誘いと告白を同列に並べちゃダメでしょ。



笑顔のカナエ先生とキレた不死川先生が同類だって言ってるようなものだからね。



「でも二人ともかわいいわぁ。キュンキュンしちゃう!」



頬に手を添えて言う蜜璃さん。ただただかわいい。



蜜璃さんに比べたら私のかわいさなんてミジンコ並みだね。




「失敗するたび逐一呼び出される私たちの身にもなってください。」


「ハイ。」



私もね、そろそろやめた方がいいかなって思ってる。


集まるごとに徴収されるドーナツ五十個に財布が号泣してるからさ。



最近やけに財布が軽い。錯覚かな。



「でも逃亡しなくなっただけでも進歩しましたよ!」


「自慢気に言えることではありません。当然です。」


「ですよねごめんなさい。」



好きな人と二人きりになった途端、奇声上げて逃げ出してた一ヶ月前の私。



ふざけてるんですかとしのぶさんに暗黒微笑を向けられた日は、軽く死んだ気分だった。


それ以降、しのぶさんに毒を盛られないために毎日頑張っている。


………目的がおかしいような気がしなくもないけど。



「はい、しのぶさん!」


「何でしょう。」



やれやれと言わんばかりのしのぶさん。



くだらないこと言ったら毒盛りますよと無言の圧を感じる。



「そもそも直接告白するっていうのがハードル高いと思います! もっと手紙とかメールとか」


「手紙やメールは形に残るから嫌だと駄々をこねたのは誰ですか?」


「はい私ですごめんなさい。」

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作者名:夢見草 | 作成日時:2021年3月1日 20時

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