バロメーター90 ページ41
やばいやばいやってしまった。
重い英和辞典と教科書を抱えながら階段を降りていると後ろから誰かがぶつかってきて、見事に吹き飛んだ教科書達。
それらは階段の下にいた紅白頭に直撃した。
『……轟くん！ごめん大丈夫？！！』
「ああ大丈夫――」
慌てて駆けつけ、思ったよりも平気そうな顔をしていた彼に安心したのもつかの間、彼の額からツーっと血が垂れてきて凍りつく。
やばいやばいやばい彼のご尊顔に傷をつけてしまった。
轟ファンから殺される拷問されるリンチされる。
『どうしよう、保健室行かないと！』
「お」
血液が目に入って初めて血が出ている事に気づいたらしい彼を引っ張って保健室へと急ぐ。
幸い浅い切り傷だったらしく、リカバリーガールは私に消毒と絆創膏を任せてどこかへ行ってしまった。
彼を椅子に座らせ、前髪をかきあげて傷口を消毒する。
彼のメーターは七割ほどに戻っていた。
『ごめんね、痛かった？』
「いや、大丈夫だ」
『私轟君のお顔に傷が残ったら立ち直れないよ……』
「ふっ、なんだそれ」
……眩しい。
久しぶりに見た大天使の微笑み。
ここ数日のどす黒いオーラはどこへ行ったのか、今の彼はとても柔らかい雰囲気で、安心すると同時に少し拍子抜けした。
ただでさえ最近嫌われているのかと思っていたのに、怪我までさせて余計に怒らせたかと思ったが、そうでもないようだ。
もしかして最初のバロメーターMAXはやっぱり平常状態ではなくて、こっちが普通なのか。
超絶イケメンの天然お坊ちゃまが考えてる事は分からないもんだな。
朝方の光が窓から差し込み、彼の瞳がキラキラと輝く。
指から零れ落ちる前髪、瞳に影を作る長いまつ毛、小さく丸い唇。
綺麗な顔だ、ずっと見ていられる。
「A？」
……つい見とれてしまった。
彼が首を傾げて私の顔を覗き込む。
『……いや、なんか最近、話せてなかったかなって』
「そうだな」
彼が優しい笑みを浮かべて、彼の額にそえていた私の手に自分の手を重ねた。
そのまま頬へ持っていき、幸せそうな顔で私の手のひらに頬を擦り寄せる。
……ほんとに、なにを考えているんだろう。
『……なに？』
「あったけぇな、手」
……なるほど？
手があったかいから？ただそれだけで？こんな？少女漫画みたいなことを？しちゃうんですね？あなたは？
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Selena(プロフ) - おいやみーさん» ご指摘ありがとうございます🙇♀️ 確かに言われてみればそうだ笑 原作を全て忠実に再現しきれているわけではないので、他にも矛盾点があるかもしれないですが、そこはご愛嬌という事でお願いします🥲 (1月6日 16時) (
レス) id: b337fdb84f (このIDを非表示/違反報告)
おいやみー - 志村転弧だと死柄木が思い出すのは髪が白くなった泥花事件以降では？ (1月1日 10時) (レス) @page34 id: df2aa3c6fc (このIDを非表示/違反報告)
う - 宇宙の塵ルートだけはwwwwwwおもしろすんぎぃっ (9月30日 18時) (レス) @page38 id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
Selena(プロフ) - 秋田の肋骨さん» ご指摘ありがとうございます🙇♀️🙇♀️ (8月12日 23時) (レス) id: 17f1437868 (このIDを非表示/違反報告)
秋田の肋骨 - すき。めっちゃ好みです！ 修学旅行ではなく，林間合宿では、、、？ (8月12日 1時) (レス) @page50 id: 93fef38cdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Selena | 作成日時：2023年3月24日 10時
