せぶんてぃー ページ39
「…………あらぁ、それは残念」
残念なんて思ってなさそうな口ぶり。
残念だって思ってるなら泣きなよぉ。
その方が相手油断させられるし、嘘泣きって結構需要高いんじゃないかなぁ。
私は好き！ 相手はボコボコにするけど。
「あなたはパンピーではありませんけれど、呪術師ではあるのでしょう？ 遺憾ですが、あなたを埋葬する程の時間は、あいにく、持ち合わせておりませんのよ」
……はぁ。
「何でもいいからさぁ、まずそこのパンピーちょうだいよぉ！ 人質にする気？」
いやセコっ！！！
「……あぁ、おっしゃる通りですわね、これは失礼」
服の襟を掴まれたまま差し出されてもぉ……。
呪詛師とぼっちで対峙したときって、どんな気持ちだったんだろ。
まあ無駄な抵抗してないみたいだし、怪我もないしいっかぁ！！！！
……じゃあ何でコイツは、センセー人質にとったんだろ。
「コイツは、ワタクシのことを他でもない、ヴィランと勘違いしておりましたが、まさかヒーローだとは思いませんでしたわ、、弱すぎて」
「相澤さん、ヴィランきたんで、対処よろぴくです、呪詛師はブルップだけ、呪霊も心配するほどのはまだいない」
「まだ、」
「！……霧峰、お前は、」
「へーきへーき！！！」
一応、一級査定きてるからねこちとら！！
「……わかった、気をつけろ」
「………………(スルーするとは良い度胸してんじゃねぇかよこのクソガキの空気)。」
……パンピーのくせして、だぁれに向かって言ってんだか。
身の程を弁えろっつーのぉ。
「邪魔な方もどこかへ向かわれたようですし、、」
「念の為、今一度伺いますわよ」
「死ぬ覚悟はできて当然、そうでしょう？」
っ！！！！
突如、ズンと頭にのしかかる。
このプレッシャー、、似たものを、知ってる。
獲物を影から冷徹に見据え、こっちをジリジリと締め上げる、
そう、雪菜ちゃんみたいな、
……なんて、言ってる場合じゃない。
「そのセリフ、そっくりそのまま返してあげるっ！！！」
今、このひとときだけは。
パンピーだの任務だの、全て忘れて、、、
生きる事に、貪欲になる！！！！！！
「霧峰 椿！！！！！！」
「私の名前、冥土の土産にプレゼントしてあげる！！！！！」
．
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作者名：Sela | 作成日時：2022年5月27日 22時
