世界で一番嫌いなあなたが幸せでありますように。２

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あぁなんてタイミング。

噂をすればなんとやら。



薮先輩は侑李を見つけて、

私の方を見てニヤニヤしながら戻ってきた。


私の頭に手を乗せて、耳元に顔を寄せてきて、


何をするのかと思ったら、


「知ってる？知念はヤキモチ妬きなんだよ？」


どういうことだ？って考えてたら、


耳にふぅーってされた。



「ひゃっ！」



薮「ははっ Aちゃん可愛い反応だったわ笑

じゃーね また来るよ。」



…びっくりした。


急にそんな、ねぇ？


薮先輩のペースについて行けないよ。



そのまま侑李と少し話して帰ったみたい。


侑李がムスっとしてたから、

薮先輩、またからかったんだろうな。




薮先輩に相談したら、ちょっとスッキリしたかも。


必死で続けてきた「世界で一番嫌いなあなた」も

やめて素直になってみたら、そんなの簡単なことだった。







勝利くんのこと。


しっかりしなきゃ。答えはもう出てる。


早めに、返事をしたいのに。


勝利君とはいつも同じグラウンドだけど、

陸部は遠征とか広いとこを借りて練習してるから、

学校にはほとんど来ない。


つまり会わない。



心は決まったけれど、返事ができないまま。









部活終わり、いつもどおり片付けをしていると

侑李が不機嫌そうにやってきた。



『宏太と何話してたの？』



「ちょっと相談事があったの。」



『相談って何？』



「え、うーんと…進路、とか？」



『…あっそ。はあ。』



侑李はため息を残して帰った。



進路だなんてごまかしてみたけど

嘘だって絶対バレてるやつだなあ。





でもこのままウジウジしてられないから。



A勝利くん、話したいことがあるの。


A近いうちに会えませんか?


勝利わかった。じゃあ明後日会おう






はじめの一歩、飛ぶんだ。


頼りきりな私をやめたい。



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