世界で一番嫌いなあなたが幸せでありますように。２

６４（Yuri Side） ページ16

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今まで、小学生までは、

Aの一番近くにいたのは僕だった。



話をしなくなっても、一緒に帰らなくなっても、

知り合ってからの16年間っていう時間が

僕とAの強いつながりだと思ってた。





なのに、佐藤くんと仲良くなって、

僕ができない一緒に下校もしているし、

部活のときも楽しそうに話してる。




Aが遠い。


僕の知らないA増えた。




Aと佐藤くんがカフェに行くところに遭遇したとき

Aが楽しそうに笑ってたから。



あぁ、好きなんだろうなって思って、

僕の長い長い片想いが

終わらせられるのかもしれないと思った。



同時に、消失感、悲しい感情が湧き上がってきた。








涼介「まだ、付き合ってないけど、

カフェ行くくらい仲良い友達ってことだね、まだ。」



『そうみたいだね。僕には関係ない。』



涼介「意地張っちゃってー。本当にいいのかな。」



『うるさい。早く帰ってゲーム。』



そう、意地を張ったの。

悔しくなったから関係ないとか言ったの。





元々、Aが僕を想ってないことなんて

《あのとき》から痛いくらいに実感していた。


いざとなると覚悟も崩れていくんだ。









でもそのあと、少し経ってからのこと。



部活中Aが暗い顔をしてる。

さすがの大貴も気づいたらしい。



僕も声をかけたけど、「大丈夫だよ。」って。


体調のことを聞いたけど。


いやいや全然大丈夫そうじゃないし。



『そう。…元気なさそうに見えるのは僕の勘違い？

まあ僕が間違えることはないと思うんだけどさ。』



「勘違いですよ。

ずっと、話してなかったじゃん。」



少し俯いて小さく呟く。


僕に伝わりそうでわざとそんな風に俯くの？




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