世界で一番嫌いなあなたが幸せでありますように。２

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約束の放課後、学習室に入ると、

すでにその人はいて。


男子「あ、来てくれてありがとうございます。」


「いえ…」


なんとなく重苦しい空気。


男子「急ですけど、

俺、Aさん。のことが好きです。

付き合ってください。」



「えっと、ごめんなさい。

あんまりよく知らないし、今はそういうのは…」



男子「そうですか。聞いてくれてありがとうございます。」


ドアに向かって歩き出すその人。

なぜか《あのとき》を彷彿とさせる。


ちゃんと伝えないと、

《あのとき》と同じになるような予感。



「あの！そう言ってもらえたことは、

嬉しかったです。ありがとうございます。」


男子「こちらこそ、ありがとうございます。」



帰りがけに笑いかけてもらえた。

ちゃんと伝えられてよかったんだ。









翌日の朝、教室に入った瞬間、朱里に捕まった。


朱里「昨日はどうだったの〜？」


「あー…朱里の予想通りでしたよ。」


朱里「やっぱり！それで！断っちゃったの？」


「うん。」


朱里「Aが決めたことだから、何も言わないけど。

うーん、モテるね！

私のAが取られるのも時間の問題か。笑」


「私のって。笑

多分ずーっとないよ。」



だって、私の好きな人は、

振り向かないもん。

そうさせたのは、他でもない私なんだから。



圭人「おはよー

何をそんなに盛り上がってるの？」


文化祭の後、席替えして斜め後ろになった圭人くん。


朱里「おはよう。

Aがモテモテだねって話だよ。笑」


「ちょ、朱里ー」


圭人「え！そ、そうなの？」


朱里「昨日も告白されちゃって。」


圭人「昨日も、ってその前にもあったの？」


朱里「そうなんだよー。

モテモテは困っちゃうね〜笑」


「もう余計なこと言わないで！

ちょっと冷やかしてきてるしさあ！」


あははなんて笑ってるし。もう。







そのあとの3限の移動教室で、

佐藤くんと会った。


このときも会話してからバイバイして、

すごく仲の良い友達みたい。



涼介「あれ？Aちゃんだ。

今話してたの勝利だよね？仲良かったの？」


涼介くんと部活以外で会うの久しぶりだな。


「うん、ついこの前だけど、

友達になろって言ってくれてから、よく話すんだ。」


涼介「そっか。友達増えてる、良かったね。」


「うん！」







このときは全然思ってもみなかった。


この会話から、ここから、

ガラリと関係が変わっていくなんて。



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