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昨晩とは違って、賑わった街を歩く
今日は非番なので、いつもの男装ではなく、普段使いの着物に身を包み、ある場所を目指し足を進める
「ウィッグじゃないから、鬱陶しいな」
背中に流れる髪を揺らしながら歩く
「…」
ある場所を目の前にして、立ち止まる
万事屋銀ちゃん
そう掲げられた看板を目にして、階段を上る
「はい」
インターホンを鳴らすと、聞いたことの無い女性の声が聞こえた
「坂田銀時さんに用があって参りました。真選組の齋藤Aと申します。」
そう言うと、ガラリと開けられた戸
「銀さんのお知り合い、ですか?」
「…えぇ、まぁ」
正直、少しびっくりした
銀時の、彼女さんかな
綺麗な茶髪を高く結び、端正な顔立ちが綺麗に微笑んだ
「どうぞ、上がってくださいな」
「お邪魔、します」
私は少し複雑な心境で万事屋に足を踏み入れた
「銀さん、今奥の部屋で寝ているんです」
「…そうですか」
ということは、彼女さんは看病に来ていたということか
「すみません、本当にお邪魔なタイミングできてしまって…」
「何言ってるんですか。…まさか、私と銀さんがお付き合いしてるなんて思ってます?」
「え、違うんですか」
「やだ!!私があんなマダオ相手にする訳ないじゃないですか!」
「ま、マダオ?」
その綺麗な女性は信じられないとでも言うように勢いよく否定した
「あなた、真選組の方と仰っていましたね。こんな可愛い方がいたなんて」
「…は?」
「もしかして!あなた銀さんの彼女とかですか!?いやだ私ったら、私こそお邪魔じゃないですか!!」
「いや、あの、」
「あら、ごめんなさいね!私、ちょっと用事を思い出したのでここで失礼しますね。あ、大丈夫です。今日新ちゃんにも神楽ちゃんにも言っておきますから!」
「あの、ちょっ、」
「ふふっ、ではごゆっくりー!」
そう言って、女性は嵐のように過ぎ去って行った
「…行ってしまった」
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作者名:ハル | 作成日時:2019年8月16日 21時