87話 ページ42
慎太郎side
そう思って見つめ返した母さんの顔は、一瞬何処か寂しそうに見えた
「…大きくなったわね、」
「へ、？」
予想していた返事と余りにも違うから思わず変な声が出た
急に大きくなったなんて、なんの話し…？
母さんがあっけに取られている俺にはお構い無しに勢いよく椅子に腰かける
「あ〜あ。小学校の頃に好きな子に上手く話しかけられなくて、ママが単身赴任から帰ってくる度泣きついてきてたあの泣き虫に恋人ねぇ〜」
「っ、はぁ？！まじ何なのさっきから！！」
ニヤニヤしながら俺をからかうように笑う顔に、張り詰めていた気持ちが一気に解ける
「いつの話してんの！別に今まで彼女の1人や2人普通にいたしっ！！」
恥ずかしいことに今の俺の顔は確実に真っ赤だ
母親の前でそんな話してたなんて…恥ずかしげもなく昔の俺っ！許すまじ…、
「…しっかり、幸せにするのよ。」
母さんが俺の目見て微笑む
「認めてくれるの？」
反対されるどころか家庭教師の契約も解除くらいされるかと思ってたから、案外あっさりしている態度に、嬉しいとか安心とかより驚きの方が強かった
「初めは母さんも反対したよ、松村さんに沢山酷いことも言っちゃったと思う。でもあの人、私が病院に来るなって何度言っても毎日来てた。看護師さんがいつも楽しそうに話しをしてる松村さんを見て、兄弟か何かですか？って私に話しかけて来てね。次の日に少し早く仕事を切り上げてなんの話しをしてるのか聞いてみたのよ」
「…毎日。北斗、なんて？」
「本当にたわいも無い普通の話。沢山の教材持って来て起きたら取り返すぞって意気込んでたわ」
だからあの教材の山か、
「北斗らしいね、」
勉強中とかに時折見せるいたずらっ子見たいな顔で笑ってる顔が頭に浮かんで思わず笑ってしまう
来るなって言われても毎日来ちゃうところとか、ほんとに北斗らしいな。
変なところ頑固なんだよね笑
「でもね、帰り際急に泣き出してずっと謝ってた。」
何で？北斗は何も悪くないのに、
俺は北斗を泣かせたくて助けた訳じゃないのに…
「…でも最後に、貴方と出会えて幸せだって、好きになってくれてありがとうって言ってた。」
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陽向 - 尾崎さん» ありがとうございます！また読みますね♪ (2022年1月6日 16時) (
レス) id: cd699a7473 (このIDを非表示/違反報告)
尾崎(プロフ) - 陽向さん» はじめましてコメントありがとうございます！2周もして頂けるなんて感動です（ ; ; ）またお話再会しようと思っているので宜しければ最後までお付き合いください！陽向様に楽しんで頂けるよう頑張ります^ ^ (2022年1月5日 18時) (レス) id: 31ee2d5f43 (このIDを非表示/違反報告)
尾崎(プロフ) - 鴎花さん» はじめましてコメントありがとうございます！！本当に有難いです（ ; ; ）またお話再会しようと思っているので宜しければ最後までお願い致します。^ ^ (2022年1月5日 18時) (レス) id: 31ee2d5f43 (このIDを非表示/違反報告)
陽向 - しんほく大好きなので読んでいて楽しかったです♪もう2周してしまいました！続きを書かれる予定はありますか…？無理のない範囲で書いていただければ嬉しいです♪ (2021年12月30日 23時) (レス) id: cd699a7473 (このIDを非表示/違反報告)
鴎花 - 好きです。ほんと面白いですこの小説。もう一気に読んでしまいました！ (2021年12月12日 12時) (レス) id: ae229e33a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：尾崎 | 作成日時：2020年5月31日 21時
