05.《信頼》関係 �� ページ5
「女子らしくないな」
『おや、今の台詞は聞き捨てならないね。まぁ、否定はしないけど』
「しないのか」
クスッと何処からか笑い声が聞こえた。恐らく紅白くんだろう。
「まぁ、その方がお前らしいけどな」
『僕らしい、かぁ…ふふっ、ありがとう』
「じゃあ、嫌いな物は？」
『次は嫌いな物か。ふふっ、今日はやたら質問してくるな。まぁいいけど。
僕の嫌いなものなら沢山あるよ。辛い物とか心の汚い大人とか。あとは自分自身が嫌いかな。あ、見つけた』
僕が何番目かとなる資料の仕舞われている棚を見上げると、僕の探している目的の資料が入っているだろう箱を見つけた。だが、それは大分上の方にある。脚立になりそうなものは…無いか。全く、無駄に紙はあるのに、土台になりそうなものはないのかよ。
僕は爪先立ちになり、限界まで腕を伸ばす。くそっ、こういう時に身長がやたら欲しくなる。身長は平均の筈なのに…てか、何でこんなに高い位置に置いてあるのだよ！
数ミリずつ腕がその資料の元に伸びてゆく。腕と体の付け根が地味に痛いが、あとちょっとで届きそうなんだ。頑張ろ。
『ッよし、届いた！…ってワオッ』
伸ばした指先が資料に届いたのにも関わらず、一瞬にして何かに遠ざけられた。腰に伝わる暖かい熱。背中に伝わる温かい熱。それが紅白くんの腕だと、それが彼の身体だと分かるまで、そう時間はかからなかった。
『何するのさ紅白くん。やっと届いたのに…』
「…俺もお前が嫌いだ…」
耳元でそう一言囁かれる。
「嫌い」邪魔した事プラス、中々傷付く言葉を言ってくれるじゃないか。
「…俺はお前の人を頼らない所が嫌いだ…お前はもっと人を頼ればいいのに、いつも一人で抱え込んで人に助けを求めねぇ…今だってそうだ。呼んでくれれば取ってやれたのに、お前は一人で取ろうとした…もしバランス崩したら怪我してたかもしれねぇのに…何で…何で頼ってくれねぇんだ…？そんなに信用ならねぇか…？」
紅白くんは僕の肩に自分の顔を埋めた。悲しそうな、何処か消えてしまいそうな、そんな声を残して。
『…僕はね。いや、"私"はね、何でも一人でやり抜けろって言われながら育ったんだ。
だから、君を信用していない訳じゃないんだ。寧ろ信頼している人物の一人だよ。
でも、私は一人でやらなきゃって言う言葉が身に付いちゃってるんだ。笑えるよね。
だからごめんよ、また心配掛けてしまって。
……ごめ──！』
「…お前のすぐ謝る所が嫌いだ…」
紅白くんは腕を動かし、僕の唇に当て、言葉を僕の口の中に封じ込める。
「…お前のすぐ自虐する所が嫌いだ…」
続く (更新停止中)
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う - やばい好き(←応援してます！更新出来れば頑張ってください！気になる(￣ ￣) (12月11日 21時) (
レス) @page5 id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 最＆高です👍️ (2021年12月10日 16時) (レス) @page5 id: ff535d7292 (このIDを非表示/違反報告)
白猫さん(プロフ) - 作者さんのペースで更新頑張ってください！！ 続きが気になる…………。 (2021年11月5日 0時) (レス) id: d1d66ac9b7 (このIDを非表示/違反報告)
ｱｻﾋｲｲｲｲｲｲｽｳｳﾊﾟｱｱｱﾄﾞｳｳﾗｱｱｱｱｲ - 最高 (2020年12月14日 23時) (レス) id: 9ee51932ee (このIDを非表示/違反報告)
肉 - 初めから読んで追いつきました体調に気おつけてください更新頑張ってください|ωΦ*)ｺｿｰﾘ･･･ (2020年9月4日 21時) (レス) id: 33a07a44b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オー笛 | 作成日時：2019年4月30日 9時
