転生したら“灰だらけ”の… (ページ24)

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23話ページ24

しーんと静まり返り、沈黙が続く

私の怒りが爆発した結果、敵船は崩壊し、海賊達は逃げ去っていった

私、かなりヤバい事したのでは…?

すると突然背後から「すっっげぇなお前!!!!」と肩を叩かれて声をかけられる
勿論声を掛けてきたのはシャンクスだ

振り向けば他のメンバーも何故か嬉しそうにしている

「お前やっぱり強いなぁ!!」

「いやーよくあんな奴ら1人で追い払ったもんだぜ」

「にしてもやっぱりお前は能力者なのか?すげぇ強いな!!」

メンバーは口々に私を賛辞する言葉をかける
正直、人を脅して追い払っただけなので複雑だし素直に喜びずらい

「あ…うん……はは…」

なんて言ったらいいか分からないからとりあえず笑う
だって人生で初めてよ?こんな体験
海賊船に乗って戦闘が始まりーの謎の能力で追い払うとか
こんな体験、私の世界では絶対体験しませんよ

「お前は守ったんだ。俺達も、自分の命も」

「えっ…?」

私の様子に気が付いたのか、声を掛けてくれたのはベックさん
ベックさんは私の頭に手をポンと置くと「ありがとよ」と言ってくれた

「あ…はい…」

なんか、そう言われれば悪い気はしないかも…
確かに殺るか殺られるかみたいな雰囲気だったし、一歩間違えれば私達の誰かが死んでたのかも…
そう考えたら両者に死人を出さずに追い払えたのは、良い結果なのかもしれない

現に私の目の前では喜びあって肩を抱き合ったり、敵の海賊が置いていった宝物を物色したりと、かなり和やか

「良かった……かな?」

そんな様子を見たらつい笑みが零れた。多分、安心したんだと思う

「へぇ。そんな風に笑えるのか、お前は」

「えっ!?」

突然肩を抱かれてぐいっと抱き寄せられる

えええ!?何でしょうかこの状況は!?

「その方が良い。笑ってる顔、可愛いぜ?」

「あ、え、は、はい…………?」

ぼぼぼっと自分の頬と耳に熱が集まるのが分かった

待ってベックさんめっちゃ口説くじゃん!??
グイグイくるじゃん!?

今までの人生でそんな体験をあまりしていない私からしたら、かなりのクリティカルヒットである。乙女になっちゃう〜!!!!

流石プレイボーイだ……女の子の扱い分かってる訳ですよ…

「おいベック!!!さっきからアケビを口説きまくってんじゃねえよ!!」

そこへ様子を見てたのであろう、シャンクスが野次を飛ばす

他のメンバーも「手が早いぞ副船長〜!!」なんて言ったりしている

やばいよ色々な意味で持たないよ。私のメンタルが持ちませんよ

「しぬ………」

真っ赤な茹でダコになった顔を両手で覆う。そうすれば、他のメンバーからまたからかいや野次が飛ぶ。他人事だと思ってこのやろー!!