転生したら“灰だらけ”の… (ページ15)

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14話ページ15

静まり返る大聖堂には私の声だけ響いていく

「聖女ルターナはもういないけれど、貴方達は生きている」

そう、生きているなら＿＿＿＿

「生きていれば何度だってやり直せます」

国民達は、震えながら涙を流す人、静かに顔を伏せて泣く人、顔を両手で覆い泣く人。様々にいた

「私は聖女にはなれません。ごめんなさい…」

頭を下げ、私は内陣からそのまま離れた
国民達の悲しげ表情が目に焼き付きそうで怖くて、下を向きながら入口に戻った

大きな扉を思いっきり開ける。そこには眩い日差しが差し込んだ

そこで微かに国民の1人が『聖女様…』と口にしたのを聞き取った

……確かに今の私それっぽさあるかも

自分では心の底から『聖女にはなれない』って言っておきながらね
なんかな…本当に国民の人達には申し訳ないと思ってる

でも、私は聖女ルターナの様なことは出来ない

どちらかといえば私は我が身可愛さを選んでしまう

そもそも心の在り方がきっと違う。聖女ルターナはきっと、立派な志をしていたんだろう、と思う

大聖堂を出て、一歩、二歩と歩き始めた時だった

「＿＿＿＿＿＿＿＿。」

まるで倍速再生をしているかのように、また脳内にイメージ映像が流れてきた

これ、は＿＿＿＿＿＿

一方＿＿＿＿＿

「いてェ……」

「飲みすぎだぜお頭〜！」

「全くこの人は…いつも飲んでから後悔しやがる」

「ほら船長。酔い覚めの水と薬だ」

あの後、俺とベックはアケビを夫婦の家まで見送り、船に戻って飲み直しをした

したのはいいんだが……

「くそ…二日酔いはキツイぜ……」

「酒は飲んでも呑まれるな。いつも言われてるだろ、お頭」

ベックは相変わらずといった様子だった

アイツ本当に酒に強いな……

ホンゴウから薬と水を貰い、口に含んで飲み込む

「そんで？これからどうするんだ？お頭」

相変わらず肉を食うルゥ

その横では海図を広げながらヤソップが「今回はここだったが…」とブツクサ呟いている

「今はそれどころじゃねえよ…頭が痛てぇや」

「だから飲み過ぎなんだよあんたは。加減ってもんを知れ」

ホンゴウはやれやれと呆れながら俺を見る。そんな目で見るなって

ガンガンと痛む頭を抑えながらちらりと港の入口を見る

「……………」

＿＿＿やっぱ、

「来ねえな。お頭」

「ん゛？」

まるでお見通しと言わんばかりに自分が思い浮かんだ感情をベックに当てられる

「来ねえ？」

「何の話だ？」

話題に反応したヤソップ、ルゥが話しかけてくる
それについて説明をしようとした時、ベックに

「お頭が昨日、口説いてた女だ」