転生したら“灰だらけ”の… (ページ13)

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12話ページ13

なんて乙女なことを考えていれば気づけば翌日になっていた

ふかふかのベッドの上で気持ちよく眠り、目覚めは最高だった

けれど直ぐに現実に引き戻される

私は決断せねばならない。“海賊”か“国王”か

この選択肢ルートを考えた神(ひと)は絶対に面白がってるし意地悪だと私は思っている

今にも『その通り』と聞こえてきそうな朝日が窓を指している

同時に「コンコン」と扉がノックされる

「アケビ様おはようございます。もうお目覚めですか？」

扉の向こうから優しい女性の声が聞こえる

「あ、はい！起きてます！」

私の挨拶の合図と共に、少し遠慮がちに扉が開かれ、綺麗な女性が顔をのぞかせた

「アケビ様、昨日は私めの命を救って下さり、真にありがとうございます」

白レースが着いた薄いコバルトブルーのドレス？を着た女性が丁寧に頭を下げながら挨拶をした

「あ、いえいえ！こちらこそ！ご無事で何よりでした…」

私を一晩部屋に泊めてくれたのは私が昨日お城から救った夫婦だった

夫婦はあれから回復をして、怪我をしていた男性…基旦那さんも今は昨日よりも元気になっていた

そんな2人のご好意に甘えて今回泊めさせてもらった

うう…申し訳ない……

優しい好意に胸が締め付けられる様な気持ちになったが、揺らがしてはいけないと気を引き締めて、私は2人と一緒に朝食を貰った

朝食を貰ってから数時間して、早速昨日の件についての話をする事になる

「貴方様にぜひ、王になっていただきたいのです」

「我々を危険から守り、圧政をし続ける王族達も退けてくださりました。ルターナ様と同じ力を持つ、貴方様こそ」

『王に相応しいのです＿＿＿＿』

女性は優しい声でそう続ける

ついつい「そうかな？」と照れそうになるが、いやいやと冷静になる

私はまだこの世界を知らないし、どんな事をしていけばいいのかも分からない
『この国の王になってから知れば良くない？』とか悪魔の囁きともとれるものが脳内にぽんと浮かぶ
ダメダメそんな『何とかなるでしょ』精神は今じゃないのよ
大体王様って要は政治したり国を良くするために働いたりするんでしょ？
そんな事を一切した事ないド素人女がそんな無茶ぶりに臨機応変に応えられるかと言われればそれは即決の『NO』

だったら海賊…？

確かに海賊の方が気楽なのかもしれない
映画やアニメ、マンガで見る海賊を見る度に『自由な生き方してるな〜』なんて客観的に見ていたけれど今となって他人事には出来ない

なぜなら今自分が決断せねばならない選択の崖っぷちに立っているからだ

「私は…」