🌸『ただいま』1 ページ23
2023/3頃
「山本の彼女って、桜好きなんだっけ?」
打合せが終了して周囲の皆は小休止って感じにそれぞれ雑談に花を咲かせている。僕は何となく次の謎班会議の前にやるタスクを確認しようとメモに目を落としていたら、突如福良さんがそんなことを聞いてきた。
僕の彼女が桜好きって情報は社内でどこまで広まってるのか気になるところだよね。それも祥隆が僕に対して桜関連商品買ってることを揶揄ってくるからなんだろう、別に隠すことでもないし構わないけどね。
「桜好きですよ、でも突然なんですか」
「いや結依とよく行ってるプラネタリウムでさ、お花見出来るんだよね」
「お花見?」
プラネタリウムでお花見するの?ピンと来なくて首を傾げてしまう。でもさすがに桜の木なんてないだろうし、映像でってことなのかな?
「それってプラネタリウムのドームで桜の映像が観られるって感じなんですか?」
「うん、星のプログラム上映前に、桜ウエルカム映像が流れるんだよね。結構良かったよ、桜に囲まれるって感覚かな。何より桜を目にした結依が可愛い、俺の奥さん桜も似合うんだよね」
思い出しているのか福良さんの顔が緩みだす。去年ゴチで桜色の制服を纏っていたし、藤宮優は“さくら”イメージ強いよね。結依さんに似合っているってのは否定しないけど、僕としては桜が1番似合うのはAちゃんだったりする。
「もちろん星空を見ている結依も最高に可愛いんだよね」
今度は星と結依さんの話に切り替わる。福良さんは相変わらずの結依さんラブな様子で、そうなんですかと相槌を打ちつつ失笑しちゃうよね。福良さん越しにソファで沈みながら仕事をしている祥隆が見えた、また始まったよなんて言ってそうな顔で福良さんを見ているのがいつもの光景だ。
と言うかこれは何を聞かされてるんだろうか?Aちゃんの桜好きからの話の流れで惚気が始まってしまった。いつものように結依さんのことを惚気けたいだけってことかな?
「えっと福良さん、それで何の話でしたっけ?」
さらなる惚気が始まりそうな福良さんに問いかけると、ごめんごめんと笑って本題を話し出す。
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作者名:佐伯 | 作者ホームページ:
作成日時:2022年3月13日 17時