🎢『僕の好きなもの』 ページ17
『拓哉さんごめんなさい、映画観ても良いですか?』
休日の昼下がりAがブルーレイディスクを見せてきた。結構人気のある恋愛もの続編映画だったかな?
「いいよ、レンタルしたの?」
『友達が買ったみたいなので借りちゃいました』
前作は映画館で観たんですよ、と教えてくれる。前作は確か数年前だったし彼女とはまだ付き合うどころか彼女自身を認識していなかった気がする。そう考えるとどこでどんな出会いがあって惹かれ合うのか分からないものだなと思う。
映画自体には特に興味もなかったが何となく一緒に観始めて主にAの顔を観ていた。映画もクライマックスになると彼女の瞳から一筋の光がこぼれ落ちる。純粋に彼女の涙は綺麗だと思う。どうしようもなく君の泣き顔が好きだと思い知らされる。あの日まで女性の泣き顔が好きだなんて思ったことはなかったはずなのに、惚れたきっかけだからよりそう思ってしまうのか?
エンドロール中もはらはらと泣き続けるAにハンカチをそっと渡すと恥ずかしそうに笑ってありがとうございますと言ってくれる。泣き顔をもっと見ていたいと思うくらいだけどやっぱり彼女の笑った顔も好きだ。
『泣いてしまって、恥ずかしいですね』
「Aの泣き顔綺麗だよ、僕は好きだけどね」
『え、泣き顔好きって…拓哉さん変わってませんか』
「そんなことないと思うけどね、Aの涙を見なかったら好きになってたかどうかってところだからね」
『あの号泣したのは早々に忘れて欲しいのですけどっ』
「本当に忘れて欲しいの?」
じりじりと距離を詰めて彼女を見つめる。彼女は頬を染めてまだ濡れた睫毛を揺らしながら僕を見つめ返してくる。うんやっぱり涙に濡れた瞳も綺麗だと思う。目元にキスを落とせば、拓哉さんと甘い声で僕を呼んでくれる。彼女の涙の味もして、彼女と愛し合いたい想いが脳内を支配する。
「寝室行こうか?」
そう耳元で誘えば彼女は黙ったまま頷いて僕に付いてきてくれる。彼女との甘い時間の始まりだ。
_____________
診断メーカー『イチャイチャしましょ!』より
kwmrは🎢主が泣いているのを見て、泣き顔が好きだ、とハッキリ思った。普通、好きな相手には、笑っていてほしいはずなのに。
書いたのはちょっと違うと思うけどコースターはこんな感じです。イメージ映画はないです考えるの面倒だったw
82人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:佐伯 | 作者ホームページ:
作成日時:2022年3月13日 17時