pair days -episode 4-【番外編】 (ページ6)

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ハンドクリーム1 ページ6

　
side fkr
2021/3上旬
※『アイテム』とvol.6『前髪』の間の話。

デート終わりにAの家で夕食をご馳走になった。食器の片付けを藤枝とAでやろうとしていたから、藤枝に代わって俺がすることにした。

「いいんですか、ふくらさん」

「全然いいよ〜ご馳走になってるし、これくらいさせてよ」

ありがとうございます、と藤枝はリビングに戻っていった。まあ善意と言うよりキッチンでAと２人きりになりたかっただけなんだけどね。藤枝いるとイチャイチャ出来ないから、こうやってチャンスを作らなくてはならない。

『それなら拳くん、私がお皿洗うから拭いてくれる？』

「おっけー」

他愛も無い話をしながら２人でお皿洗い。こんな風に過ごしていると、俺の彼女が俺の奥さんなんじゃないかって錯覚する。エプロン着けて可愛く笑うA、こんな可愛い奥さんがいる生活って最高。

と言いつつ未だ結婚するとかは考えてはない。ただ俺は一生彼女と一緒にいるつもりだから何れ結婚するのは確定と言っても過言ではない、だからそういう妄想もしちゃうものだ。

『なぁに拳くん、急にニヤニヤして』

「えーAが可愛い奥さんみたいだなって考えてた」

『えっ奥さんって！？どうしてそんなこと考えてるのっ』

恥ずかしそうに慌てるAが可愛い。彼女もいつかは俺と結婚を…って思ってくれてるのだろうか。そうだったらいいなと考えちゃう。

「ほらお皿拭き終わった〜」

『あ、ありがとう拳くん。助かりました』

「こっちこそ美味しいご飯ありがとうね」

あんまり突っ込んだ話をすると彼女が慌てちゃうから、さらりと奥さん話は終わらせる。まあそういうのはタイミングもあるしもっと気持ちが強くなったら考えよう。まだまだ恋人同士を楽しみたいって言うのもある。

「それにしてもAの手、赤くなってるよ。水が冷たかったでしょ、温めてあげる」

彼女の冷たくなった手を両手で包み込む。拳くんの手温かいね〜なんてのんきに言ってる彼女。何となくマジマジと彼女の手を見てしまう。３月に入ったとはいえまだ寒いし水は冷たい、水仕事したら赤くなっちゃうよね。
　
　
　