pair days -episode 4-【番外編】 (ページ22)

今日:7 hit、昨日:12 hit、合計:3,224 hit

2 ページ22

　
side 兄
　
　
「拳さん、いま出回ってる俺らの高校のときの写真知ってます？」

「あぁ藤枝がいいね押してたやつ？いまちょうど見てた」

「拳さん的にはあれ拡散されてるの良いんすか？」

「ここで悪いって言ったところで、既に拡散されてるものはどうしようもないでしょ〜まあもし別の写真が拡散されてたら……然るべきところに相談しなきゃならなかったかもね」

休憩時間に気になったことを聞いてみたら、にっこりと笑ってそんなことを言う、だが笑ってないだろこれ！

拳さん怖っ、もしかして別の写真って、猫耳メイド服のこと言ってんのか。やっぱりああいう写真は夫として拡散されて欲しくないんだな、まあ当然か。

とは言ってもコスプレ的に、去年着てたゴチ制服と似たようなもんだと思うけど、拳さんにとってはおそらく違うのだろう。

「まあ安心していいですよ」

「安心ってどういうこと」

「あれ本来のカフェ衣装はメイド服だけです、文化祭終わってからAの友達がノリで耳と尻尾付けたんで、外部の客の目には触れてません」

「え、藤枝、それってつまりアレを見た人は」

「Aの友達数人と俺くらいですね、まあAが死ぬほど恥ずかしがってたので写真撮ったあとはすぐ外したんじゃなかったかな」

「友達って女の子だけ？まさか男はいないよね」

だから拳さん怖いって目が本気すぎる。慌てて、男は俺だけですと伝えれば心底ホッとしたような様子。

「なんだ良かった〜あんなに可愛いAを、他の男も見てたんじゃないかと思ってたから安心したかも」

「でも接客はしてるんでメイド服は見られてますけどね」

「それ考えるとAのメイド服見たやつの記憶を抹消したいぐらいには気に入らないけど、アレ見られるよりはマシかな」

「一応Aは写真断ってたのでメイド服写真もクラス内での写真くらいでそんなに出回ってないかと」

「それなら大丈夫か、と言うかそもそも藤枝がいいね押さなきゃあそこまで拡散されなかったんじゃないの？」
　
　
　