pair days -episode 4-【番外編】 (ページ14)

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アイテム1 ページ14

　
side fkr
2021/3/1
※2/28公開の【人間卒業】東大数学科の暗算が凄すぎた、のアイテムふくらPからの妄想
※vol.6『暇な休日』と『ハンドクリーム』の間の話。

「おっふくらさん、いらっしゃい」

「あれ、藤枝ありがと〜Aは？」

仕事終わりに彼女の家へお邪魔する。エントランスからインターフォンを押したときはAが出てくれたけど、玄関は藤枝が開けてくれたようだ。

「あぁ今電話中です」

なるほどと相槌を打つ。藤枝と共にリビングへ行くと丁度彼女が電話を終えたところだった。

「A、アイテム来たぞ〜」

『アイテムって違うでしょ、祥なに言ってるの。拳くん、お仕事お疲れさまでした』

「Aもお疲れさま、もしかしてアイテムって昨日公開した動画か」

「それです、Aいつも装備してるもんな」

「アハハ〜そうか俺、Aにも装備されてるのか。それは嬉しいかも」

「ふくらさんが売られてるのって道具屋ですかね。武器屋っぽくもあるけど」

「んー武器なのかな、やっぱり道具屋なんじゃない？」

藤枝はドラクエ好きだし、アイテムとか装備とか、俺も面白くて話題に乗っかってみる。彼と話していると、違うからと小さく呟く声が聞こえた。彼女の方へ目を向けると、微妙な表情をしている。何だか雰囲気がいつもと違う。

「Aどうかしたの？」

『私は拳くんのこと装備してないし、そんなことしたくない』

「えっ？」

「あっやべ、Aごめんっ、冗談だから」

藤枝は彼女の様子から慌てて謝っているけど、俺は彼女が言ったことに少しショックを受けていた。俺を装備してないとハッキリ言い切ったし、装備したくないとまで言われてしまった。

「Aにとって俺は不要？」

『えっ』

「って今度はふくらさんかよ！ちょっA言葉足らず！！」

更に慌てる藤枝を他所に俺はAだけを見つめる。彼女は、アッと気づいたようで慌てて、拳くん違うからっと口にする。いつもの可愛らしい雰囲気が戻ってきた。

『私にとって拳くんはアイテムじゃなくて、隣で一緒に歩いていきたい人だから、拳くんが不要とかではないからっ、あの、大好きだから一緒に行動を共にする人でありたい、って感じなの』
　
　
　