pair days -episode 2-【番外編】 (ページ44)

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笑って頷けば、その前に…とキスを落としてきた。慌てて彼の胸を押し返したら、充電完了とニヤリと笑う。その表情が格好良くて胸がときめいてしまう。いやオフィスでキスされたのだからときめいちゃダメ、と気持ちを振り払うかのようにふるふると頭を振った。そんな私を見て彼はクスッと笑う。

Aありがとうね、と呟いて私の腰を引き寄せて歩き出す。オフィス内で腰を引き寄せて歩くのはどうなの！？と思うけど、ついそのまま付いて行ってしまう。裏取り班の作業スペースに戻れば、祥が私たちに気づいて嬉しそうに笑っている。祥にも心配かけちゃったよね。

「おっかえり〜どうなることかと思ったけど安定の密着してるじゃん」

揶揄うようにそんなことを言う、安定の密着ってなに？と恥ずかしく思ってると彼が、藤枝もありがとうねと笑って言う。

「へへっ安心しました。まっでも俺は何もしてませんよ。それより拳さんタイミングばっちりですよ。裏取り２００個完了しました」

「おっついに達成したのか」

『雑学２００個おめでとう』

拳くんは伊沢さんと２人で雑学２００個達成を告げるため撮影部屋へ向かって行った。配信モニターを観ると河村さん、須貝さん、乾くん、視聴者さんと共に雑学達成のお祝い、ちょうど登録者数が彼の生年月日と一致しそうになっていたのでその数字を迎えてから彼は戻ってきた。

それからの彼は、身体も休めつつ企画を考えたり一生懸命に動いていた。それをそばで見守れるのは嬉しい、たまに充電〜なんて言ってハグしに来ていたのは、大勢の裏方スタッフに見られて恥ずかしかった。

夜中の配信では朝それの雑学バージョン企画、雑学しりとり企画などで大いに盛り上がっていた。しりとり中に伊沢さんが“り”からリングを思いついて、私の結婚指輪を貸すことになったのは少しびっくりした。

拳くんの順番のときに彼が指輪を返すために私の元へと来てくれて、結婚式の指輪交換のときのように付けてくれた。それを見ていたスタッフさんに、結婚式みたいです、なんて言われてちょっと恥ずかしかったし、祥に後ろから写真まで撮られた上にそれを公開されるなんて思いもしなかった。

　