pair days -episode 2-【番外編】 (ページ3)

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用意してくれた椅子に座ると隣に座った彼が私の肩を抱き寄せる２人の肩にブランケットを被せた。ブランケット２枚用意したからそれぞれ使うのかと思っていたけど彼はもう１枚のブランケットを私たちの膝の上にかけた。

『別々に使うのかと思ってたよ？』

「えーこっちの方がくっつけるでしょ？」

耳元で好きだよと囁いてくる。私を見つめる表情が格好良くて照れてしまう。

「俺の奥さん可愛すぎるね」

『も、もう…拳くんは格好良いよ？私も大好き』

私の大好きな蕩けるような笑顔を見せてくれる。もうすぐ消えそうな月の明かりに照らされているといつもより格好良く見える…って拳くんはいつも格好良いんだけど毎日好きの気持ちが大きくなる。そんなこと考えていると彼がへへっと笑う。

『な、なに？』

「いつも格好良いのに月明かりの下だと拳くんはもっと格好良くなるな、好き！私の拳くん最高だよねってAが思ってくれてるのが判る」

『そ、そんなことないよっ』

「えー本当かな？」

ニヤニヤ笑いながら抱き締めてくる。どうして拳くんは私の考えていることがほぼ判るのか…でも最高とまでは思ってないよね？いや拳くんが最高の夫なのは間違いないのだけど、さっきはそこまで思ってなかった！と自分の中で言い訳をする。でも私が答えるのを待つかのようにじっと見つめられていて恥ずかしくなる。

『あの、好きまでは合ってます。毎日どんどん好きの気持ちが大きくなるなって』

「俺は最高じゃないの？」

『えっと…それは、さ、最高だよ』

「んへへっ俺にとっても最高の可愛い奥さんだよ、A愛してる」

『拳くん声は抑えてっ、ご近所さんに聞こえちゃう』

「俺は聞かれても良いんだけどね？」

『恥ずかしいからダメだよ…って拳くんほら皆既食始まってるっ』

空を見上げれば月の明かりが消えて赤く染まり始めた月が見えた。皆既食の始まりを見るつもりだったのに拳くんと見つめ合っていたら見逃してしまっていた。抱き締めていた腕を緩めて彼も空を見上げてる。

「ありゃ始まっちゃってたか、仕方ないか月より綺麗な奥さんが俺のそばにいるんだもんね？」

にこっと笑ってそんなことを言う。拳くんってすぐそういうこと言うから照れを誤魔化すために、月の方が綺麗だと思うけどなんて素っ気なく言ってしまった。

「それは同意できない。俺にとってはAが１番綺麗で可愛いの！それは譲れないからね？Aはいい加減に理解して」

『理解してって言われても…でもありがとう、拳くんがそう言ってくれるのは嬉しい』
　
　
　