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『イルミネーションはキラキラしてて素敵だけど、そうやってエコにも気をつけていたらもっと素敵になるね』
「でもカップルだらけの場所でイルミネーション見ながらこんな話するのはちょっとアレかなって我ながら思うけど」
『そうかな？私は気にならないよ、拳くんのそういうところ大好きだよ』
「俺もそう言ってくれるAが大好きだよ」
頬にキスを落としてきてにんまり笑う彼に慌てて頬を押さえてダメでしょって言うけど、彼は気にしないの〜なんて言ってくる。外でキスされるのを気にしないって言うのは無理だよ、拳くんは本当に周りを気にしない。少しは気にして欲しいと思うけどたぶんそれは叶わない願いなんだろうなと苦笑してしまう。
「そろそろ予約時間迫ってるしご飯食べに行こうか」
うんと頷いて彼の腕に手を絡めてお店に向かった。拳くんが予約してくれていたお店はダイニングバーのようなところだった。雰囲気も素敵なところで仕切りがあって半個室のようになっている。何よりお料理が美味しそうなのが魅力的かも。お酒は飲み過ぎると眠くなっちゃうから乾杯だけにして拳くんとお食事を楽しめたらいいなと思う。
『素敵なところだね』
「うん、今日は席だけ予約したから色々料理頼んでみようよ。ほらこれとか美味しそう」
『イベリコ豚のアヒージョ？こっちの海老とマッシュルームのアヒージョも美味しそうだな』
「マッシュルームはあまり食べたくないなぁ」
『ふふっ分かってるよ、色々頼んでシェアしよう』
目移りしちゃうくらい美味しそうな料理が並んでるメニューから２人で選んでオーダーした。先にお酒が運ばれてきて乾杯する。
『あ、このサングリア美味しい』
「本当？俺もあとで頼んでみる」
『今度お家でも作ってみようかな、外だとあまり飲めないし』
「A寝ちゃうもんね、あの陽気で可愛いAが見られるならいくらでもお酒付き合うからね」
『そうは言ってもお家でも飲みすぎないようにはするよ、拳くんの前で酔うのはなんか恥ずかしい』
「えー友達の前は平気なのに俺の前ではダメなの？それは嫉妬しちゃうかも、俺はAをこんなに愛してるのに」
こんなところで愛してるって言わないで欲しい、それに彼は嫉妬の気持ちを瞳の奥にチラつかせている。そんな風に熱を込めて見つめられるとうるさくなる鼓動を抑えるかのように胸を押さえてしまった。彼は嬉しそうに、へへっと笑う。
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作者名：佐伯 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年11月9日 1時
