pair days -episode-【番外編】 (ページ40)

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『えぇっ！？おもてなし今無理だよっ、お菓子もないんだけど』

「へへっ〜それなら俺にイタズラされるしかないね、お菓子ないなら仕方ないよね？ハロウィンだからしょうがない。可愛い魔女さんを閉じ込めてあげる」

にんまり笑って彼女を引き寄せて魔女帽子が当たらないように外しておく。優しくそっと包み込むと俺の腕の中へすっぽりと収まっている、ぴったりだよね。念願叶って可愛い奥さんを抱き締めることが出来たから俺の嫉妬心はスッと治まっていく。

『拳くん、最初からイタズラ１択だったでしょ』

「Aを抱き締めるためのプロセスだよ。イタズラって正当な理由があれば抱き締められても仕方ないって思えるでしょ？」

仕方ないとは思わないよっ、と恥ずかしそうにしているA。まあそうだよね、強引だと自分でも思っているけれど恥ずかしがる可愛い奥さんを堪能できるなら何でも良いのだ。多分耳まで赤くなってそうな彼女だけどその可愛い耳は付け耳で見えなくなっているのが少し残念だ。

「俺はAさえ抱き締められればそれでいいの〜やっと捕まえた、A愛してるよ」

『も、もう拳くんったら、ここ楽屋…少し強引だよ、だめなのに…』

「そういう強引な俺も好きなこと知ってるよ、大人しく俺に閉じ込められてて、A黙ってられないならその口塞いじゃうけど？」

顎をくいっと上げていつもより赤い口紅がひかれた唇へキスを落とす。あぁ確実に乱れちゃいそうだけど柔らかい唇に触れたら止まらなくなった。しばらく彼女とのキスを愉しんでいた。最後におまけとばかりにリップ音を響かせて顔を離すと彼女はポーッとした顔を見せてくれる。俺とのキスに蕩けてる顔してて、本当にAは可愛いよね。

そこへコンコンとドアがノックされて彼女はハッと我に返る。楽屋の鏡に映る俺たちの唇はやっぱり乱れていた。彼女は恥ずかしそうに口元を隠す。俺は楽屋にあったウェットティッシュで自分の唇を拭ってキスの痕跡を消した。

「福良さんいらっしゃいますか？ｘｘですが奥様…、藤宮がお邪魔してません？」

「あぁすみません、今出ます」

彼女をドアの向こうから見えない死角に立たせてドアを開ける。彼女のマネージャーｘｘさんが探しに来たようだ。

「さっきまでここにいましたけど楽屋に戻りました。あ、もしかしたらトイレかも？」

「あぁそうでしたか、ありがとうございます」

そう言ってマネージャーさんは戻って行った。パタンとドアを閉めるとAはうるうるの瞳で胸に手を当てながらこっちを見てた。
　
　
　