pair days -episode-【番外編】 (ページ24)

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心の準備1 ページ24

　
2019/8下旬
※vol.3『海-お散歩-』と『12時間クイズ』の間の話。
　
　
　
「Aお疲れ、今日はふくらさんとご飯食べるんだろ？」

『祥もお疲れさま、うん祥のご飯は家に用意してあるよ』

「あれそうなの？別に良かったのに」

『ちょっと調べ物に行き詰まって気分転換したかったから作っちゃった』

「そりゃありがとう、まあ無理すんなよ」

無理はしてないけどたぶん卒論に小説にと色々心配かけている気がする。そんな顔した祥に頭をポンポンされた。近くで仕事をしていた社員さんに相変わらず仲がいいね〜なんて話しかけられて祥は笑って、羨ましくても妹はあげませんよ！なんて言ってる。どうしてあげるとかあげないとかの話になるのだろうか。

「あははっ羨ましいとかじゃないから」

「それなら良いっすけどね。あ、Aふくらさんそろそろ仕事終わるんじゃね？様子でも見てくれば？」

『そうだね、ちょっと行ってみる』

社員さんに会釈をして執務室へと向かった。ちょうど執務室から拳くんが出てきた。私と目が合うとにっこり微笑んでくれる。

『拳くんお疲れさま』

「Aごめん、もう少し片付けることあるから３０分くらい待ってくれる？」

『うんもちろん待つよ』

「ごめんね、なるべく急ぐから」

『焦ったりしてミスがあると大変だからのんびりやってね、私も資料読んで過ごしてるから大丈夫だよ』

「Aのそうやって気遣ってくれるところ本当に好き」

『えっ！？拳くんっあのここオフィスです』

急に好きとか言うから恥ずかしい。誰かに聞かれていないかと廊下をキョロキョロしてしまう。耳元で誰もいない大丈夫だよ、と囁かれて甘い笑顔で私を見つめる。その瞳から視線を外すことが出来ない。

『あの、拳くん…し、仕事戻った方が…』
　
　
　