pair days -episode-【番外編】 (ページ18)

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そこでふと昼に観た可愛い彼を思い出してしまう。あんなふうに可愛い彼だったりファンタのＣＭのように爽やかな彼。たくさん魅力の詰まった彼が今日だけでこんなに放送されちゃって彼のこと好きだって言う人が増えるかも知れない。

まただ、また嫌な気持ちが顔を出す。こんな嫉妬の気持ちなんて拳くんには知られたくないけどこういうとき彼にくっつきたい気持ちになってしまう。そっと彼に寄り添うと柔らかい笑顔を浮かべてどうしたの？と聞いてくれる。

『んーん、何でもない……いよいよ優勝が決まるのかな？ドキドキするね』

ん？と首を傾げる彼がいたがニコッと笑って画面へと目線を戻した。何か言いたげな視線を向けられていたが私は番組を最後まで観続けた。優勝校が決まり感動のラストだった、高校生クイズは毎年祥と観ていたけど今年からは拳くんと観ていくことになる。

他のクイズ番組なんかを観ててもそうだけど早押しクイズになると彼の指が僅かに反応しているときがある。クイズが大好きな彼らしくて良いよね、彼のそういう癖のようなものを知る人は少ないのかなと思うと嬉しかったりする。さっきは嫉妬の気持ちであふれそうになっていたのに私って単純なのかな？とクスッと笑ってしまった。スマホでツイートをしていた彼は嬉しそうな顔で私を見る。

「嫉妬するAも可愛いけどそうやって俺が好きって顔で笑うAもめっちゃ可愛いよね」

『えっ！？拳くんなんで嫉妬したってわかってるの？』

「俺はAのことならなんだってわかるからね」

嘘でしょと知られていたことに恥ずかしい気持ちでいっぱいになって顔を両手で覆った。

「浮かない顔、そのあと俺にくっついてきた。どうしたのって聞けば何でもないって気持ちを隠して笑ってる。もうそれだけ揃えば自ずと答えは出てくるよね」

そう一つ一つ挙げられて顔を上げれば彼はニヤリと笑っている。

「ただＣＭに出たってだけでAは嫉妬してくれたの？別にあれくらいじゃファンは増えないと思うけどな〜そこが少しわからなかったな」

『それは、教えられない』

「えー夫の俺に隠し事？そんなことして良いのかな？」
　
　
　