pair days -episode-【番外編】 (ページ12)

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『ん、どうしたの拳くん』

「Aは毎年妹大賞受賞してたの？」

昼間の祥のツイートを思い出す。そう言えば拳くんもリプしてたな、でもその事実は私も今日初めて知ったことで思わず苦笑してしまう。

『私も知らなかったよ、祥の言うことはあまり気にしなくて良いからね』

「Aはいっぱい受賞しているね」

『ん、本屋大賞のこと？他に新人賞やジリオン賞は頂いたけど…もっとたくさん賞頂いてる作家さんもいるから私はそこまでじゃないよ』

「なに言ってるの、“俺の可愛い彼女賞”や“俺の可愛いお嫁さん賞”や“福良拳が愛してるで賞”めちゃくちゃいっぱい受賞してるでしょ」

『えっと…その賞のことも知らなかったな』

拳くんどんな賞を作ってるの…すごく恥ずかしくなってしまう。

「うへへ〜照れてるAも可愛いで賞もあるね」

『も、もうそういうの良いから』

「そんなこと言わずに一生俺から賞を受賞し続けて欲しい」

『もちろん拳くんがくれるなら有り難く賜りたいと思うよ』

「任せて色んな賞用意する〜今夜のおつまみも美味しいで賞もあるよ？」

『まだ拳くん食べてないよ』

「そんなの食べる前から判ってるよ、Aの作るものは美味しいに決まってるの。Aの料理は１番だよ、優勝だからね」

握っていた私の手を離して背中に手を回してくる、引き寄せられて唇にチュッとキスを落とす。離れていく顔がニヤリと笑っていて優勝賞品ねと囁いた。

「あ、それとも大人のキスの方が良かった？」

『も、もう』

からかうように笑う彼に恥ずかしくなってぽすっと彼の胸に頭を預けると彼が私を包み込んでくれる。毎日拳くんに美味しいものを食べてもらいたいって思うから、褒めてくれるのは本当に嬉しいし優勝賞品としてキスまで貰ってしまった。でもあれもこれも賞にしなくてもいいのになぁと笑っちゃった。

私は幸せものだなと常に感じてしまうのは彼がこうやって愛してくれているから、拳くんいつもありがとう、愛してる。
　
　
　