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艶めかしい気怠そうな彼女を抱き締める。ああもう一回したいけど怒られそうだな。今も俺のことじっと見て目で訴えてる。そんな彼女も可愛い。
『拳くん、ダメって言ったのに…明日実家行く前に色々話しておきたかった』
「えーAが煽ったんだよ?これは仕方のないことだよね。それに明日はAの実家に泊まるでしょ?イチャイチャ出来ないから今しておかないと」
『もう…拳くんってお父さんに挨拶するの緊張してないの?』
「もちろんしてるけど」
『とてもそうは思えません』
彼女が呆れた表情で俺を見てる。藤枝が今週毎日お父さんに電話をして事前に色々説得してくれたみたいだから少しそれに期待してるっていうのもあるけどね。
「でも反対されてもAを諦める気は一切ないし、何なら許してくれるまで俺千葉に通うよ?」
『それは私も拳くんを諦めたくないから同じ気持ちだよ』
「大丈夫、ちゃんと緊張してるよ。でもそればかり考えてると俺緊張で押し潰されそうで…だからこそいつものように過ごさないとって意識してる」
『そっか…うん大丈夫。私も一緒にお願いする』
「A、一緒に頑張ろうね」
どこまで藤枝が説得してくれてるのか分からないけど俺は誠心誠意彼女のお父さんに向き合っていきたいと思ってる。Aを溺愛しているお父さんといよいよ対面するんだ。そりゃ緊張してないわけがない。でも俺は絶対に認めてもらう。
『あと結婚する時期のことだけど』
「うんAは何か希望ある?」
『GWに高校生以下のクイズ大会やるでしょ?』
「ああWHAT?まだ未発表だけど河村が大会長だし着々と準備やってるよ楽しみだよね。でもそれがどうかした?」
『それが終わった辺りに結婚式したい、その前は忙しいでしょ?それにそのくらい先なら準備も忙しい合間に出来るかなって』
俺の仕事のことを考えてくれるのか。結婚式なんて女の子が主役なんだから色々我侭だって言ってもいいのに…こんなに俺のこと愛してくれる彼女。もう手放せるわけがないよね。
「それならいい日があるよ、Aの誕生日に式挙げようよ」
『え、私の誕生日?でも今年平日じゃなかったかな』
「今から言っておけば調整は出来る。それにAの誕生日ならジューンブライドでしょ?」
『6月の花嫁?そんなの意識してなかった』
「もちろんそんなの気にしなくてもAは俺が幸せにするけど、せっかくだからさ」
『ありがとう、嬉しい』
そう言って微笑む彼女を俺はまた抱き締めた。ああこんなに可愛い彼女をお嫁さんにできることが嬉しい。
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佐伯(プロフ) - そのうちさん» そのうちさんいつもありがとうございます!お話全て大好きなんて言って頂けて感激です。次作の新婚楽しんで頂けるように頑張ります!Twitterの方はあとで返事投げに行きますw (2021年12月21日 21時) (レス) @page48 id: 6d502d1977 (このIDを非表示/違反報告)
そのうち(プロフ) - vol.8終了お疲れ様です!そしてお話全てが素敵で大好きです!またTwitterの方でも感想送ってしまいますがすみません。次はvol.9で新婚と聞いて正座待機しておきます!お疲れ様です! (2021年12月21日 12時) (レス) @page50 id: 7f613ac8c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐伯 | 作者ホームページ:
作成日時:2021年11月26日 21時