pair days -vol.8-

父への報告1 ページ6

　
side 兄
2022/1/2
　
　
　
「正月は帰省しないって言ってたのに２人が帰ってきてくれて嬉しいよ」


ダイニングテーブルでAの目の前に座ってる父さんはめちゃくちゃにこにこしてる。母さんはお茶を淹れてくれて俺達の前に置くと父さんの隣に座った。俺とAの顔を見てこくんと頷く。隣に座るAは緊張からか息を吐いてから話し始めた。


『お父さん、お話があります』

「ん、なんだい？Aから話があるなんて、仕事の話かい？」

『私、結婚したい人がいます。お付き合いしてるの…その人と会って欲しい、お願いします』

えっ、と固まってる父さん。母さんは明るくあら良いわねと嬉しそうに話してる。

「そうね、来週連休が良いんじゃない？土曜日はお父さん仕事があるから日曜がいいわね。なんなら泊まって行きなさい」

「ちょっと母さん、何を勝手に…」

「あらあなたAが幸せになろうとしてるのを反対するの？いつまでも子供みたいにAを縛りつけては駄目よ」

「それは私だって分かってはいるが…え、いやでも結婚って、祥隆どういうことだ？お前何も言ってなかったじゃないか」

「俺はAの味方だから、Aが幸せになるならって応援してたし相手の人も俺はよく知ってる人でAのこと本当に愛してくれてる。俺はその人を認めてるよ」

「相手の人ってまさか…伊沢拓司さんかっ！？」

「それはあのとき違うって説明したじゃん、Aは伊沢さんとは付き合ってないって」

「それなら一体誰なんだ？それにいつから付き合ってる？」

『祥が勤めてるQuizKnockの福良拳さん２８歳。クイズ作家でクイズプレーヤーされてる人でもう付き合って２年半になります』

「２年半って大学在学中からじゃないか…」


父さんは急に知らされた娘の恋人に混乱してるだろう。でもいきなり怒り出す可能性もあったからそうならなかったのは悪くないかも？
　
　
　

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