pair days -vol.8-

香川へ挨拶1 ページ17

　
2022/1/15
　
　
　
拳くんのご両親に挨拶すべく香川までやってきた。彼が育った街を一緒に歩いていく。


『ここが拳くんが育ったところなんだね』

「うん年長さんからね」

『香川に来れて嬉しい』

「俺もAを連れて来られて嬉しい。あ、もう少しで着くよ」


彼のご両親にお会いできるのは嬉しいけど緊張する。気に入ってもらえるかな？手土産は和菓子にしてみたけど大丈夫かな？何度も確認したはずだけど直前になって心配になってしまう。


『拳くん、私大丈夫かな？この服おかしくないよね？』

「大丈夫、Aは何着てても可愛いから」

『そういうことじゃないでしょ、拳くんのご両親に変に思われたくないの』

「変になんて思われないよ、父さんも母さんも楽しみに待ってるんだよ？俺クイズに夢中って思われてたみたいで結婚相手連れてくるなんて聞いてびっくりしてたんだから」

『そうなの？えっと…こういうの聞いていいのかな？拳くんは前に付き合ってた人とかご両親に紹介したことないの？』

「何でも聞いていいよ〜彼女を紹介したことはないね、こんなに好きになったのも独占したいのも結婚したいのも親に紹介したいのも全部Aが初めてだからね？」


言われたことに驚いてしまった。拳くんは私より年上で何人かと付き合ってたんだろうなって思ってたけど紹介した人いないんだ。どうしよう何だか凄く嬉しい。


「Aが喜んでる」

『えっ！？ なんで分かるの…』

「嬉しいって顔してるからね」

『だって私は初めてのことばかりで、拳くんは違うと思ってたから初めてのことがあって嬉しいんだもん』

「Aこんなところでそんな可愛いこと言わないの、襲いたくなるでしょ」

『お、おそっ…なに言ってるの拳くん』


彼が繋いでる手を持ち上げて指にキスをしてくる。彼の表情はニヤリと笑っていて、これからご両親に会うのにそんな顔見せないで欲しい。


「可愛いA」

『拳くんそういうことしないで…』

「今日はやっぱりホテル取れば良かったね」

『いやホテル取る場合は泊まるの私だけだと思うけど…拳くんは実家でしょ』

「俺は一緒に泊まりたいけど」

『そういうのはダメだよ』
　
　
　

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