pair days -vol.8-

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「つい脱線しちゃったけど藤枝はまだ話したいこと終わってないんじゃないの？」

「あーただ改めて感謝してるって言いたかっただけです」


ん？と首を傾げる。藤枝に感謝されることなんてあったかなと考える。藤枝は箸を置いてからドリンクを一口飲んで俺に向き直る。何となく俺も箸を置いて姿勢を正した。


「Aがふくらさんと恋人になったのマジで嬉しかったです。ふくらさんに恋をしたからAの世界が変わりました。それはずっと俺が願ってたことなので、ありがとうございます」

「そういうことね…俺、QuizKnock参加してから忙しくて前の彼女と別れたんだけどしばらく恋人とかそういうの良いかなって思ってたんだよね」

「それなのにAのこと好きになって今まで感じたことがなかった感情も初めて知って、Aを誰にも渡したくなかった。Aの世界が変わったように俺の世界も変わったんだよね」

「ふくらさんのそういう話初めて聞いた」

藤枝が面食らった表情をしている。そりゃ初めて話したしと笑って言う。

「俺も藤枝には感謝してるよ。あの日藤枝がAのこと見つけたから俺達出会ったわけだし…そのあとだって色々助けてもらってる、ありがとうね」

「驚くことに高２のときに１回出会ってましたけどね」

「それはお互い気づいてなかったでしょ、やっぱりあの日に会ったのが正解だったんじゃない？」

「そうっすね、俺もそう思います」

「これからもよろしく頼むよ、藤枝は俺の義兄(にい)さんになるんでしょ？」

「その予定でしたからね！義弟(おとうと)よって言えばいいですか？」


藤枝はクスッと笑って肩をすくめてる。もう来週には親族関係になるのか、まだ実感湧かないかもなんて考えてると藤枝も同じことを言ってる。


「ふくらさんと親族になるの実感湧かないや」

「急に関係変えなくても今まで通りで良いんじゃない？」

「んー関係は変わらんと思いますけどね。ただ呼び方だけ変えとくか、あとから変えるのも微妙だし俺は拳さんって呼びますね」

「お好きにどうぞ、俺はしばらく藤枝呼びのままだと思うけど」

「了解でーす」


俺は藤枝がいて心強いよ、これからもAと一緒に藤枝を頼りにしちゃうと思うけどどうかよろしくお願いね？


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エモい話を書きて〜と思って書き始めたのにあんまりエモくない？妹がついに家を出ていく前にふくらさんと話したかった兄です。

世界が変わったと言ってるふくらさんの過去の妄想小話はぷらいべったー小話まとめにあります。昔の恋愛観的な話？
　

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