ノミネート1 ページ41
2021/1下旬
出版社へ行った帰り道オフィスに寄った。嬉しいことがあったからそれを早く伝えたかった。
『祥聞いて』
「どうしたA、そんな興奮してるの珍しくない?」
私の勢いに面食らった様子の祥。周りの人達も少し驚いている。
『仕事中にごめん、でも嬉しくて…“さくら”が本屋大賞にノミネートされたの』
「まじで!やったじゃん、おめでとう!!」
『大賞には選ばれないと思うけど、ノミネートされただけで嬉しくて……祥がずっと応援してくれたおかげだよ』
祥が嬉しそうな顔でよっしゃーとガッツポーズをしている。祥が喜んでくれると私も嬉しい。仕事の話をつい一番に話しちゃうのは昔から祥なんだよね。周りの人達もAちゃんおめでとうと祝ってくれる。
ガチャと扉が開いて入ってきた拳くんと目が合った。
「ん、Aなにかあった?」
拳くんに駆け寄って彼の左腕の袖をキュッと掴む。嬉しくてついいつもより彼との距離が近付いてしまった。
『拳くんも聞いて…あのね私本屋大賞にノミネートされた』
「え、すごいよA!おめでとう、ノミネートされたのは“さくら”?」
『そう大学卒業直前に書いてたお話だよ』
「Aならきっと大賞受賞できるよ」
『それは恐れ多いけどね』
『そんなことないよ、それにしても喜び全開のA可愛い』
そっと彼の袖を掴んでた右手を外され背中に手を回される。皆いるのにハグをされて恥ずかしくなる。
『ちょっと拳くんオフィスでハグはダメって言ってるでしょ』
「えー無理、だって可愛いAがハグ圏内にいるんだよ?仕方ないよね」
『ハグ圏内ってなに?もういいから離して拳くん』
彼が今夜ウチに来てよ続きしよ?なんて周りに聞こえないように囁いてから離れていく。その顔は意味ありげに笑みを浮かべている。ああいう表情も格好良くて困る。
拳くんが仕事に戻ったあと祥に呆れた表情で言われてしまった。
「Aも迂闊にふくらさんに近付かなきゃ良いのに」
『普通オフィスでハグされるなんて思わないでしょ』
「あのふくらさんだよ?」
あのってどの拳くんなんだ。もうどうして祥はそんなに訳知り顔なのか。全部判られているようで恥ずかしい。
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どのふくらさんでしょうね?
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佐伯(プロフ) - そのうちさん» 話のギャップがひどくてごめんなさい!自分でもどうかと思いました(汗) 溺愛最高と言ってもらえて嬉しいです!ヌシもナチュラルに寝顔写真提供してるのでwもう慣れっこだと思います。ありがとうございました!体調気をつけます! (2021年7月2日 18時) (レス) id: 6d502d1977 (このIDを非表示/違反報告)
そのうち(プロフ) - CEOの感動するお話のあとに、盗撮写真お願いするFさんに笑いました!離れてても溺愛してるの最高です…!ヌシさんとの連携プレー流石です!毎日暑いので佐伯さんも体調にお気をつけて!ニヤニヤしてしまうお話、ありがとうございます! (2021年7月2日 8時) (レス) id: 482cb7275d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐伯 | 作者ホームページ:
作成日時:2021年5月12日 23時