pair days -vol.3-

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side fkr
　
　
　
目が覚めるとサイドボードの時計は５時半を指していた。俺の腕の中にはまだ眠る愛しい彼女がいる。しばらく寝顔を見つめているとどうしようもなく幸せを感じた。


『ん……ぇ、あれ…け、拳くん？』

「おはよう」


彼女の目を見つめたまま髪を梳いて一房の髪にキスをした。君は驚いたように二度瞬きして瞳を潤ませる。初めての行為に辛いところはないか聞いてみると彼女は昨日のことを思い出したようで狼狽えて俺の胸に顔を埋めた。

小さく大丈夫と答えたことに安堵する。それにしてもこんな反応をする俺の彼女可愛くない？異論は認めない。


「A？もうどうしてそんなに可愛いの？」

『へっ！？かわっ…あまり見ないで…』

「ごめん、それは無理」


見ないでと言われてもそれを肯定することは出来ない。目が覚めた時からずっと見つめていたことなんて彼女は知らないだろう。こっちは穴があくほど見たいくらいなんだけど？それを悟られぬようもう少し寝るかどうか聞いてみると藤枝に連絡してないことを思い出したらしい。


『え、あっどうしよう、連絡するの忘れてた』

「ん、俺が藤枝に連絡しといた」


焦った彼女も可愛く見えるのなんなの？須貝さん風に言うと許せんだよね。いや許しちゃうけどもうずっと可愛くて良いんだけど！ああでも可愛いのは俺の前だけにして欲しいかな。彼女を好きな男が増えるのはそれこそ許せんなことになるよね。

Aのことはじめは妹みたいだと思っていたんだよね…今思えばそう思い込もうとしてただけで最初から気になる子だったのかもしれない。こんな可愛いところや色々気遣ってくれるところ真面目なところAの好きなところがたくさん増えていく。これからももっと増えていくのだろうな。


『帰したくなかったって言ってくれたの嬉しい。一昨日の夜緊張で眠れなかったの、おかげで昨日寝ちゃったけど拳くんが側にいたから幸せだったよ。一緒に過ごせてよかった』


彼女の話を聞いていると本当に覚悟を決めて俺のところに飛び込んできてくれたんだなと分かる。幸せだったよ、と言ってくれる愛しい彼女をもう離したくない、どうか俺とずっと一緒にいて欲しい。
　
　
　

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