pair days -vol.3-

海-お散歩- ページ39

　
　
　
のんびりとパラソルの下で談笑していると山本くんがパッと思いついたように祥に話しかける。


「祥隆、ちょっとブラブラ探検して来ようよ」

「んーそうだな行ってくるか」

『２人とも行っちゃうの？』

「Aもふくらさんと散歩でもしてくれば？」

「そうだね、A行こうか」


うんと頷いた。飛び出す２人を見てから拳くんに話しかける。散歩しに行くなら日焼け止めを塗り直したかったから塗ってもらった。やっぱり恥ずかしいし擽ったかった。お互いに無言になってしまう。気を取り直して２人歩き出した。


昼下がりの午後、午前中と比べると人も減ってきた。こうやって並んで歩いてるとまさに海デートだなと嬉しくなる。今度は彼から手を繋いでくれた。波打ち際を歩くと一定のリズムで波が押し寄せてくる。足元は海水に浸かるけど気持ちがいい。


『１２時間クイズって来週の土曜日だっけ？』

「そう、今色々と準備してるよ。Aも出たかったりする？」

『ふふっ私出たとしても早押しに勝てる気がしないよ、ちょっと仕事もあるから分からないけど観に行けたらオフィスに行くね』

「うん待ってる。でも忙しいなら無理しないで良いからね」


彼の顔を見てありがとうと答えてから前を向く。拳くんも忙しいし私も来月の下旬から夏休みが明ける。明けたら卒論で忙しくなるだろう。もっとデートしたいけど難しいよね。寂しいな。繋いでいる手に力が入る。


「どうしたのA？」

『何でもないよ、ねぇあっちの岩場の方は潮溜まりとかあるのかな？』

「どうだろう？行ってみようか」


うん行きたいと答えて一歩踏み出そうとしたら砂に足を取られて身体がぐらりと倒れそうになった。咄嗟に横から伸びてきた腕に抱きとめられた。


『あ、危なかった…拳くんありがとう！』


笑顔で隣の彼を見上げると少し表情が固くなっている。どうしたんだろう？名前を呼んで見たら、何でもないよと少し焦っている感じ？心配かけちゃったかな？


『もう大丈夫だよ、ありがとう』


そう言って包まれている彼の腕に触れた。ピクッと動く彼の腕が慌てて離れていった。それから少し上の空のようだったけどしばらくすると元に戻ってた。何だったのかな？

そのあとは潮溜まりを２人で観察していたら祥と山本くんもやってきて磯の生き物クイズ大会になったりして楽しく過ごした。

今日は海で遊んでとても楽しい一日だった。来年は２人きりで遊びに来るのも良いかもしれないなと思うのだった。
　
　
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海デート皆で満喫しました。
ふくらさんも満足したかな？
　

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