3 ページ29
『なんか拳くんとこうして海を眺められるなんて思ってなかったから嬉しい』
「俺も、そう言えば夏っぽいデートはしてなかったね」
『夏っぽいって言えば祥に聞いたんだけど拳くんはホラーダメなの？』
「えーなんで藤枝教えちゃうかな〜」
嫌そうな顔をする拳くん。よっぽどホラー嫌いなんだなとクスッと笑った。
『この間更新された動画で伊沢さんがＶＲでホラーゲームしてたでしょ、その流れで教えてもらっちゃった』
「そんなの聞かなくて良かったのに…Aは怖いの平気なの？」
『そこまで得意ではないけど友達とお化け屋敷とか行ったりするよ、一緒に行きます？』
「……それ本当にダメだからね、そんなカッコ悪いところダメ。俺はAにはもっとカッコいいところ見てほしいの」
『えーいつもカッコいいところ見てるよ』
「そう？」
『だって私はどんな拳くんでも…大好きなんだよ』
私の言葉に僅かに表情をかえ口元に手をやり照れている拳くん。こういう拳くんを見られるのも嬉しい。今日会えて良かったな。
「そういう可愛いこと言わないでよ…抱き締めたくなる」
口元を隠したまま言った拳くんの言葉に今度は私が照れて慌ててしまう。
『へっ！？こ、ここではちょっと』
「分かってるよ、ここはAの地元だし噂になっても困るでしょ」
『うん…東京に帰ったらデートしましょうね』
「楽しみにしてるよ、A」
彼に見つめられると嬉しくなる。微笑み返すと後ろから声が聞こえてきた。
「イチャイチャしてますなー」
「おぉ福良くんラブラブやな！」
「ねーねーヌシくん、あの２人って付き合ってたんや？」
「ちょっお三方、聞こえますよ！」
拳くんと２人同時に振り返った。伊沢さんとはなでんのお２人がニヤニヤした顔でこちらを見ていた。後ろで祥がごめんと口パクしている。隣では拳くんがわなわなと震えてる、何が起きているのか理解した瞬間恥ずかしさで両手で顔を覆った。
「ちょっと！伊沢も、はなおさんでんがんさんも何してるの！」
「福良さん、Aちゃんごめーん」
伊沢さんは謝りながら、お２人も悪戯がバレた子供のように逃げていった。残った祥が手を合わせて謝っている。
「ふくらさんスミマセン！俺には止められませんでした」
「藤枝があの３人を止められるとは思ってないからもういいよ、どうせ伊沢がはなでんさん誘ったんでしょ」
「仰る通りです」
「いつか藤枝がパワハラで会社やめないか心配だよ」
「ハハそれは大丈夫だと思いますけど」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 280人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
佐伯(プロフ) - りぃさん» 洞爺湖にfkrさんと同じ誕生日のお子さん素敵な偶然が重なり嬉しいです。素敵できゅんなんて言って頂けて感激です。北海道行ったことないので迷ったのですが（行ったことある沖縄新幹線で行けず笑）書いて良かったです！これからも頑張ります。ありがとうございました！ (2021年5月11日 15時) (
レス) id: 6d502d1977 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - はじめまして。新婚旅行に洞爺湖に行き、fkrさんと同じ誕生日の息子がいます。いつも素敵できゅんなお話に日常を忘れて癒やされてます(読み専で申し訳ない汗)！洞爺湖新婚旅行編登場にコメントせずにいられませんでした！これからの作品も楽しみにさせて頂きます(^^) (2021年5月11日 10時) (レス) id: 85c5c56de3 (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - そのうちさん» コメントありがとうございます。素敵と言って頂けて嬉しいです！佐伯はまだまだこの2人に飽きていないので是非お付き合いください。ここで言うなって話ですがそのうちさんの作品も楽しみにしております！ (2021年4月6日 10時) (レス) id: 6d502d1977 (このIDを非表示/違反報告)
そのうち(プロフ) - いつも素敵なお話をありがとうございます！エトセトラの1作目がいっぱいになって「終わるのかな…」と成仏しかけていたので、2作目が見れて嬉しいです！これからも楽しみにしております！ (2021年4月6日 8時) (レス) id: 7d0b253688 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：佐伯 | 作者ホームページ：
作成日時：2021年4月4日 12時
