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「福良さん、お待たせしました!」

「おかえり〜」

『祥!初対面なのに福良さんに紹介もせず置いていくのはどうかと思うよ』

「あっ」


あからさまにやってしまったという顔をして藤枝が勢いよく頭を下げる。その勢いがなんだか可笑しくて笑ってしまった。


「福良さん本当にすみませんでした!」

「藤枝と知り合ってもうすぐ1年だけど意外な一面がみれて面白かったよ」

「うっ…すみません」


とりあえず湿布貼ってあげなよと促しその様子を眺める。お互いに軽口を言い合いながら藤枝は壊れ物を扱うかのように優しくAちゃんの足に湿布を貼っていく。仲のよい双子だな。俺もAちゃんみたいな妹がいたらどうだったんだろうなんて考えてしまった。


「さてと移動するか、A荷物貸して」

『祥だって荷物あるんだから平気だよ』


藤枝が差し出した腕に手をそっと絡めるAちゃんに気をつけてと言いながら歩き出す。


「ゆっくり歩くといいよ」


ゆっくり時間かけてタクシー乗り場までやってきた。タクシーが一台待っているのが見えたから俺はここで別れようかな。


「それじゃ俺は行くね、藤枝また月曜日に」

「福良さん、オフィスに荷物置きに行きますよね?一緒にタクシーどうですか、ここから家までの途中にオフィスあるので送ります」

「あ、でも俺車酔うから…大丈夫だよ」

「ここからオフィスだと車で10分かからないと思いますよ」

「んーそれくらいならいけるか」

「荷物いっぱいあるし福良さんにはさっき迷惑かけたし良かったら」

『福良さん是非そうしてください』


ひょこっと藤枝の隣から顔を出してそう言ってくれるAちゃん。にこにこしてる2人…こうみると笑顔がどことなく似てるかも?


「ありがとーそれじゃご一緒するね」


タクシーの中ではAちゃんに車酔いについて聞かれ俺の車酔いレベルを正直に話したら誘ってごめんなさいと謝られてしまった。まあこんなに弱いなんて思わないよねと苦笑い。

Aちゃんに気にして欲しくなくて、笑って短い時間なら平気だから気にしないでと伝えたけど、オフィスに着くまで気分は大丈夫ですか?と何回か心配してくれてAちゃんってやっぱり良い子だよね。
 
 
 
 
_____________
 
元のお話にはタクシー同乗時に車酔う話のくだりはないです。当時書いたときにはふくらさんが車酔い酷いの知りませんでした。知ったときにどうしようと思ってたので今回再編集に辺り書き直せて良かったです。
 

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佐伯(プロフ) - 姫坂ひなのさん» ありがとうございます。兄もfkrさんも気に入ってもらえて良かったです。続き頑張ります。 (2021年1月4日 7時) (レス) id: f14d480ac5 (このIDを非表示/違反報告)
姫坂ひなの(プロフ) - すごくドキドキしながら読んでます…お兄さんのキャラも素敵だし恋に悩む福良さんも可愛い…続き楽しみに待ってます 応援してます! (2021年1月4日 0時) (レス) id: 0879417deb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:佐伯 | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年12月27日 11時

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