向日葵を食せ！ [ em ] (ページ13)

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「というわけで、連れてきた料理人だ」

「お前正気か！！苦労を増やすなぁ！！」

幹部全員が集まる談話室に、グルッペンさんの後ろに隠れるようにこちらを窺う小さな女性。

まず彼に怒鳴ったのは、1番の苦労人のトントンさんだった。

「正気だ。これ以上、毒味役を殺すわけにもいかないだろう」

「だ、だからといって自分のこと殺そうとしたやつに料理人任せるやつがあるか！」

トントンさんは少し申し訳無さそうにし始めたグルッペンさんを絶え間なく問い詰める。

「まぁトンち落ち着けって、グルちゃんの人拾いは今に始まったことじゃないやん」

「大先生…お前の教育係が誰だったかもっかい教えたろか？」

「お世話になりましたトントンさん！」

鬼のような形相のトントンさんに、大先生も撃沈。

「まぁまずは任せてみようと思う。エーミール」

彼の低い声が私の名前を呼ぶ。
はい、と答えれば、彼は端正な顔で笑って見せた。

「"頼んだ"ぞ。」

「はぁい、任せてください」

それだけ伝えたグルッペンさんは、再びトントンさんのお説教地獄に捕まった。
ゾムさんもどうやら引き摺り込まれたらしく、他のメンバーがなんとかトントンさんを止めようと奮闘している。

「初めまして、エーミールと申します」

隅でぽつんと立ち尽くす彼女に、私は柔らかく笑いかける。

彼女は鋭い視線を私に向けた後、どうもと小さく呟いた。

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