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「カジノの潜入なんて久々じゃない？そんな大事なカジノなの？」
須貝さんは私の嘆きをスルーして、手首を回しながら伊沢にそう聞いた。包帯が気になるのかも、パッチにしたほうがいいかな。
「大元の会社の人間がカジノに来るんです。どうせなら宣戦布告も兼ねて、と思って」
「出たよ負けず嫌い、スーツクリーニング出さなきゃじゃんか」
めんど〜、とデスクに突っ伏した須貝さん。そこじゃないんだけどな、私は。
「……A、ドレス持ってたっけ」
「いやほんとに決定なの？大丈夫？私潜入とかしたことないよ」
河村の淡々とした問いに対して、その2倍くらいの熱量で詰め寄る。
伊沢は資料を捲る手を止めて、じっと私を見据えた。
黒く深い、読めず喰えない目。
「河村さんと須貝さんも居るし、
普通に立ってればいいからさ。……お願い」
片手を少しあげて、おどけたように笑ってみせる。……普通に立つって、そんな教え方されたの初めてなんだけど。
「立ち振る舞いは僕が叩き込んどくよ。……ただ薬の依頼もあるから、Aは無理しすぎないように」
河村は隣でそう伊沢に言葉を投げ、伊沢はもちろんと笑った。
「A、薬間に合わなさそうだったら俺にも言えよー、山本も連れてきて手伝うから」
「お、助かります〜」
須貝さんは資料から目を離さないまま。助かるなぁ、ここには優秀な研究班もあるし。
「須貝さん、いいドレス仕立ててくれるとこ知ってます？」
「ん？あぁー……俺のスーツ仕立ててくれたとこ結構良いよ」
「後で場所教えてください。Aは今週末空けといて」
「………はい」
有無を言わさぬ河村の冷たい視線。
私は白衣と医療用のユニフォームしか持ってないし、まぁフォーマルな服装じゃなければ門前払いだろう。
大人しく、腹括って潜入するしかない様だ。
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See.(プロフ) - ゆゆさん» コメントありがとうございます。他の作品まで見て下さりとても嬉しいです！めちゃめちゃ励みになります、更新頑張りますね！ (2020年8月16日 23時) (
レス) id: 1d0369df29 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - こんばんは、もうひとつの作品、[QK] 錯 視 世 界 に て 、も楽しく拝読させていただいております、ゆゆです！本作もとても面白い作品で更新が待ちきれない！ってくらい気に入っております笑(決して更新を急かしているわけではございません！) See.様、応援してます！ (2020年8月16日 22時) (レス) id: 91c48177af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：See. | 作成日時：2020年8月15日 22時
