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side.ymmt
朝。
朝は弱いけれど、頑張って起きて、身なりを整えて、足早に少し離れた医務室へ向かう。
研究室からは医務室近いんだけどなぁ、まぁしょうがないけど。
「Aさーん、朝ごはん食べに行きましょ！」
ノックをして、中に入る。
ご飯を食べに行ったあの日、僕がこうちゃんにAさんに対する想いを語った日。
Aさんはそれを聞いていた。
彼女は気配に敏感だけれど、僕だって襖を挟んで向こうにいる人にくらい気付く。
これで、知らぬ存ぜぬは出来ないと思ったのだ。
だから、僕はAさんが帰ってきた3日前からこうして毎食一緒に行こうと誘ってるわけ。
Aさんが別会社に会議に行っていることを河村さんが教えてくれて、僕は彼女が居ない間考えた。
とりあえず押してみよう。その結論に至った。
嫌がられたらやめようと思ったけど、Aさんは少し困ったように笑って、元気に了承を返してくれる。
こうちゃんも、いいじゃないですかと笑ってくれた。
「………あれ？」
僕が考えている間も、返事は無い。
いつもなら既に医務室でデスクに座って、記録やら備品確認やらをしているのに。
ベッドにも居ない。あれぇ？
「おはよう山本」
背後から聞こえたのは紛れもないAさんの声。足音が聞こえなかった、カーペットだから音を吸収するっていうのもあるけど。
「おはようございます、朝ごはん食べ行きましょ〜！」
「はいはい、行こうね。今日はなんだろうな〜」
白衣のポケットに手を突っ込んだまま、Aさんの隣を歩く。
いつも通り無造作に纏められた髪と、恐らく今日もしていないメイク、臙脂の医療ユニフォームと、白衣。
ドレスを纏うAさんも、外出用のAさんも好きだけど、この格好が1番しっくりくる。
「……ねぇ、山本」
「はい？」
やけに深刻な、重い切り出し。
「全部終わったらさ、向き合うから。もう少し待っててよ」
そう言うと、Aさんはクシャッと笑った。
どこかすっきりしたような、着飾らない無邪気な笑み。
胸がぶわっと熱くなる。
「も、もちろんです！」
なにが、なにに、なんて聞かないよ。だってそれはきっと無粋だし、僕もなんとなくわかってるよってことだけ伝えたかった。
後は、待つだけだから。
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See.(プロフ) - ゆゆさん» コメントありがとうございます。他の作品まで見て下さりとても嬉しいです！めちゃめちゃ励みになります、更新頑張りますね！ (2020年8月16日 23時) (
レス) id: 1d0369df29 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - こんばんは、もうひとつの作品、[QK] 錯 視 世 界 に て 、も楽しく拝読させていただいております、ゆゆです！本作もとても面白い作品で更新が待ちきれない！ってくらい気に入っております笑(決して更新を急かしているわけではございません！) See.様、応援してます！ (2020年8月16日 22時) (レス) id: 91c48177af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：See. | 作成日時：2020年8月15日 22時
