9.遅効性の真髄 ページ36
side.ymmt
「思ってたこととはちょっと違ったけど、乾杯！」
Aさんが連れてきてくれたご飯屋にて、僕とこうちゃんも乾杯。
事情があったとはいえ報連相をしなかった伊沢さんは皆からめちゃめちゃブーイングをされ、今回の案件の処理を全て押し付けられていた。
僕らはそれで空いた時間に、約束通りランチ。
美味しい料理と、ふわふわと脳を溶かすアルコール。
「山本もこうちゃんも、用意してたの使えなくて残念だったんじゃない？」
Aさんはにこやかにそう言うと、こうちゃんは顔を顰めた。心外だ、とでも言うように。
「俺のは須貝さんが用意してるんです、そんなサイコパスじゃないですよ！」
「こうちゃんは敬語ね」
「あっすいませ、ご、ごめん？」
任務の時はまぁ周りの目を気遣ったりして敬語を使うけど、どうしても彼女に対する敬語は普段から抜けない。
敬語を使われるのを嫌うAさんは、すぐに顔を歪める。
どうしても、彼女の視線を受けると敬語になってしまう、というか。
圧、オーラ、そういうのを纏っている気がする。
「てか、Aさんに敬語使っちゃうんだよ」
「わかる〜！中々抜けないよね」
こうちゃんに同意すると、Aさんは不服そうに首を傾げた。
「そ、そんな……私、顔怖いのかしら」
「いやいや、そうじゃなくて！」
僕はすかさず否定する。
わかってるよ なんて自信ありげに僕に微笑むAさんはやはり綺麗だ。
緩やかに纏められた髪は外出だからとくるりと巻いてあるし、カジノの時とは違う、わかりやすくいうと道を歩く一般の女性ようなメイクもして。
Aさんはその場に溶け込む格好をするのが得意なんだろう。スタイルと元の造形美が良すぎるせいでそこだけは目立つけど。
……僕は、普段の無造作に纏められた髪も、すっぴんも、医療ユニフォーム姿も、全部好きだけど。
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See.(プロフ) - ゆゆさん» コメントありがとうございます。他の作品まで見て下さりとても嬉しいです！めちゃめちゃ励みになります、更新頑張りますね！ (2020年8月16日 23時) (
レス) id: 1d0369df29 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - こんばんは、もうひとつの作品、[QK] 錯 視 世 界 に て 、も楽しく拝読させていただいております、ゆゆです！本作もとても面白い作品で更新が待ちきれない！ってくらい気に入っております笑(決して更新を急かしているわけではございません！) See.様、応援してます！ (2020年8月16日 22時) (レス) id: 91c48177af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：See. | 作成日時：2020年8月15日 22時
