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「ん……やまもと？」
僕が丸椅子に腰掛けてほんの数秒、掠れた声は僕を読んだ。
いつもはよく通る凛とした声だけれど、寝起きの声なんて初めて聞いたかも。
「あ、大丈夫？」
「……河村は？」
パチ、と本格的に目を覚ました彼女は薄く涙が張った瞳で僕を捉えた。質問には答えず、ただ返答のみを待っている。
「食堂行ったよ。……呼んでくる？」
僕では、河村さんの代わりにはなれないし。
改めて実感させられたその事実は、やんわりと胸を締め付けた。
「いや……大丈夫。山本はなんでここに？」
「えっと、河村さんに頼まれて」
「そっか。ごめんね」
「全然。頭、まだ痛い？」
「んー……少し」
「ほんとに？」
「………嘘ついた。めっちゃ痛い」
この様子だと、薬とかが効かない人なんだろうか。本当に辛そう。
「なにか、欲しいものとかある？」
せめてなにか出来ないかとAさんに少し顔を近づければ、再び目を閉じて唸った。
「笑わない？」
「え？」
彼女は唐突にそう呟いて、真っ直ぐに僕を見つめる。深く、暗く、淀んだ瞳には間抜けな顔をした僕が映っていて。
「なに言っても、笑わない？」
Aさんは静かにもう一度そう聞いてきて、僕は思わず口を開いた。
「も、もちろん！」
＿＿＿＿＿＿＿じゃあ。
僕はゴクリと唾を飲む。
「ここで、一緒に寝て。抱き枕になって欲しい」
「……………はい？」
鳩が豆鉄砲を食らう、とはこんな感じだろうか。
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See.(プロフ) - ゆゆさん» コメントありがとうございます。他の作品まで見て下さりとても嬉しいです！めちゃめちゃ励みになります、更新頑張りますね！ (2020年8月16日 23時) (
レス) id: 1d0369df29 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - こんばんは、もうひとつの作品、[QK] 錯 視 世 界 に て 、も楽しく拝読させていただいております、ゆゆです！本作もとても面白い作品で更新が待ちきれない！ってくらい気に入っております笑(決して更新を急かしているわけではございません！) See.様、応援してます！ (2020年8月16日 22時) (レス) id: 91c48177af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：See. | 作成日時：2020年8月15日 22時
