1.依存性ヴェレーノ ページ1
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「Aちゃ〜ん、ごめんだけど氷くれ」
「うわ、さっきの爆発音もしかして須貝さん？火傷してるし」
「そ、1滴多く入れたらドカンよ」
「死なないでくださいよ〜」
「そう簡単には死なんって」
カルテやら薬の整理をしていた医務室の扉を開けたのは、この組織の物理屋さん須貝さんだった。
手首の辺りに火傷を負ったにも関わらずのほほんとした彼に氷やら包帯やらを巻いていく。スピードが大事
「……はい、終わりー。また夜に来てくださいね、包帯変えます」
「いつもすまん〜、ありがと」
「仕事ですからねぇ」
須貝さんは それもそうか と医務室を出ていった。
今日の日付、時間、症状。何かあった時用のための記録帳にサラサラとそれらを書き連ねて、パタンと閉じる。
＿＿＿＿＿ここは、とある裏組織の拠点。
でも悪いことをしてる訳じゃなくて、悪いことしてる所を潰す一応ホワイトな組織。まぁ人は殺してるから真っ白という訳では無いけど。
……そもそも、真っ白な裏組織なんて無いし。
私は、ここで3ヶ月ほど前から医師をしている。
簡単な薬や処置を施し、なにかあれば裏の繋がりのある病院へ怪我人を運んだり。
仲間間の信頼は厚く、連携は取れていて、組織としても優秀。あと職場環境最高だし、皆は優しいし。…たまに変なことしてるけど。
＿＿＿＿＿＿時刻は12時少し前。
お腹も空く頃だ、今日の食堂のメニューはなんだろう。
書いていた記録帳をガラス窓の本棚に仕舞い、スライドして密閉。
分厚い1ヶ月分の記録書が横に2つ並んでいて、これからも増えていくことだろう。
白衣のポケットにボールペンを差してから、医務室の扉を開けた。鍵を閉める。ポケットに鍵を仕舞う。
ホワイトボードに『食堂』と書いておけば、何かあった人は食堂に来てくれるだろう。小中高の保健室とか、こんなんだったな。
私が来て、3ヶ月。
前の組織に、
「あ、Aさん」
ボーッと歩いていたところで、前方に見えたのは同じく組織の山本。この通路を歩くのは、大体医務室に用がある人だけ。
「どうした？怪我？」
彼の頭の先から爪先までじっと眺め、山本は申し訳なさそうに笑いながら首を振る。
「今日、オムライスだから。呼びに来ちゃった」
＿＿＿＿入ってきたばかりの頃、私の教育係は彼だった。
「オムライス〜！まじか、ありがと！」
食堂のオムライスは美味しいのだ。
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See.(プロフ) - ゆゆさん» コメントありがとうございます。他の作品まで見て下さりとても嬉しいです！めちゃめちゃ励みになります、更新頑張りますね！ (2020年8月16日 23時) (
レス) id: 1d0369df29 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - こんばんは、もうひとつの作品、[QK] 錯 視 世 界 に て 、も楽しく拝読させていただいております、ゆゆです！本作もとても面白い作品で更新が待ちきれない！ってくらい気に入っております笑(決して更新を急かしているわけではございません！) See.様、応援してます！ (2020年8月16日 22時) (レス) id: 91c48177af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：See. | 作成日時：2020年8月15日 22時
