偶然性の月曜日 ｰ 6 ページ6
その日は、QuizKnockメンバー数人が僕の家に飲みに来た。
飲んでた居酒屋から1番近かった僕の家、一気に賑やかになる普段は1人の空間。
「ん……あれ、つまみ無いじゃん」
須貝さんはほんのりと酔いながら、空の袋を指差した。
「あれ！？……早いなぁ…こうちゃんがさっき食べてたかも」
比較的酔ってない僕が買いに行こうかと立ち上がると、顔を赤くした河村さんも立ち上がる。
「僕も行く。…夜風に当たらないと間違いなく戻す」
「いや、外よりトイレ行った方が良いのでは？」
福良さんは一滴も飲んでおらず、普段通りに朗らかに笑う。
まぁ河村さんはその言葉を無視。時計を一瞥して、「行こう」と僕の先を歩いた。
ふらりふらりと危なげな足取りではあるが、まだ立てるくらいではあるようで。
.
「………あれ」
「……………え」
1階ロビーにて、エレベーターの扉が開いた。
そして、ガラスの自動ドアから入ってきた見覚えのある女性。
Aさん、だった。
だけども不思議なのはそこではなくて、Aさんは何故だか河村さんから目を離さない。
それは河村さんも同じで。
あれ、と最初に呟いたのは河村さんだったのだ。
＿＿＿なんだか、嫌な、予感がする。
「……たく…いや、河村さん。なんで山本さんと？」
「なんでもなにも…僕は山本と知り合いだから。とぼけちゃってさ、知ってるくせに」
決して平穏とは言えない、静かな嵐のような雰囲気。
＿＿＿2人は、2人は。どういう関係で。
「知るわけないでしょ…元カレの友人事情なんて……」
「はは。昔から変わらないね。表面だけ大人になったつもり？…中身は子供、天邪鬼なままじゃん」
Aさんの、こんなに荒々しい声も。
河村さんの、こんなに刺々しい言葉も。
2人が、元恋人だった事実も。
＿＿＿＿＿＿なにもかもが、初めて、初めて耳にしたものだった。
「ねぇ山本、Aとは仲良し？」
河村さんは、一変して穏やかな笑顔を僕に向ける。
けれども、その目はまるで笑ってなくて、冷徹そのもの。
思わず頷くと、やっぱりねと河村さんは再びAさんを見た。
「僕のこと振ったAが、僕の仲間の山本と、仲良し……ねぇ…？」
「未練がましく付き纏ってきた拓哉こそ、どうして今更このマンションに来ちゃったわけ？」
……嗚呼、僕は今、何を聞いているんだろう。
意識が遠のいていく。言葉が乾いていく。背筋が凍っていく。
………指が、震えていく。
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See.(プロフ) - ゆゆさん» 初めまして、コメントありがとうございます。ゆっくり気ままにやってきますのでよろしくお願いしますー！ (2020年8月12日 9時) (
レス) id: 1d0369df29 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - はじめまして！こんばんは〜！See.さんの小説いつも楽しく読まさせていただいてます！まだ読みはじめたばかりですが、大好きなお話集なのでこれからも応援してます！頑張ってください！ (2020年8月11日 22時) (レス) id: 91c48177af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：See. | 作成日時：2020年7月30日 18時
