きみがクズでよかった - fkr * ページ28
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＿＿＿＿俺は昔から夜目が効くほうだった。
窓から差し込む月光さえあれば夜でも部屋の全貌が見えたし、見知った部屋ならそこになにがあるか、誰が居るか、それすらも見えてしまう。
つまり。
たまたま通ったラブホ街で、たまたま視線を送った裏道で、たまたま知っていた顔が1つ目を見開いたことも見えてしまうわけ。
「………A？」
それは、同じ大学同じ職場のA。
そのAの腰を抱いて先程までキスを交わしていたのは、恐らく大学時代にAと親しかった友人の彼氏。
同じ大学なのだ、それくらいはすぐにわかった。
……へぇ、あーいう男だったんだ。
俺は咄嗟に顔を前にして、なんにもないような振りをして再び歩き出した。
心のどこかで、恐らくAは何も悪くは無いんだろうなと思ってしまっている。
いつもそうなのだ、昔からなにかに巻き込まれるし、対してそれを拒絶しない。
……拒絶しないのは、悪いかもしれない。
驚きはしたけれど、俺の心はどこか冷静で、自分でも驚くくらい。
それが、俺が想いを寄せる相手だったにも関わらず、だ。
.
「おはよーございまーす」
ふわぁ、と欠伸を噛み殺しながらゆるりゆるりと出勤したのはA。
「おはよ」
俺のデスクの前を通った時、皆と同じように彼女に返せば、Aはほんの少しだけ俺を見てから、また何も無いように素通りしていくのだった。
ちょうど僕の真向かい、Aが後ろを通った、その席の主の河村は怪訝そうな顔を俺に向ける。
目敏いなぁ、すぐ気付くじゃん。大したことじゃ無いのに。
「なに、お前らまたなんかやったの」
「ちょっとやめてよー、なんもしてないって」
俺がおどけてそう笑えば、河村は興味無さそうに視線をモニターへ移した。
.
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See.(プロフ) - ゆゆさん» 初めまして、コメントありがとうございます。ゆっくり気ままにやってきますのでよろしくお願いしますー！ (2020年8月12日 9時) (
レス) id: 1d0369df29 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - はじめまして！こんばんは〜！See.さんの小説いつも楽しく読まさせていただいてます！まだ読みはじめたばかりですが、大好きなお話集なのでこれからも応援してます！頑張ってください！ (2020年8月11日 22時) (レス) id: 91c48177af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：See. | 作成日時：2020年7月30日 18時
