クロートーへ願いを！ ｰ hys ページ26
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「は、はっ、はや、林くん！！？？」
「はい！？」
私の声量に合わせてくれたか、只驚いただけか。まぁ恐らく後者。
私は彼を呼びながらソファを立ち、隣で寛いでいた彼もまた驚いて私を見上げる。
「マッチングアプリ使ってんの！？」
「え……あぁ、まぁ昔に。……続かなくて辞めましたけど」
林くんはズレた眼鏡を直して、へらりと微笑んだ。可愛さ百点満点。スタンディングオベーション。
この一連のやり取りはかなり大声で行われていたのだが、まぁ時刻は22時過ぎ。
この時間まで残っているのは撮影を終えたメンバーと、私みたいな仕事が出来ない人だけ。
こうちゃんは遠目からびっくりしたようにこちらを見ていたけれど、やがてまたスマホに視線を落としている。
「………恋人欲しいの？」
「まぁ……健全な男子大学生ですし…」
こんな話題を振ることも無いので、彼は少し緊張してるのか視線を逸らした。
………あれ。
「ふくらさん、私これセクハラですか？」
「アウト」
「河村さんには聞いてないです！」
「アウトだね」
「ですよね〜」
河村さん、ふくらさんにアウト判定貰ってしまった。いや、あまりにも真面目な後輩の一面が意外すぎた。いやー、びっくり。
「急にどうしたんです、そんな」
林くんは視線を合わせてくれないまま、今度は私にそう聞いた。
「え？いや意外すぎて……ごめんね、セクハラじゃないから許して。
あ、いい子紹介しようか？確か同じ学部に……」
「え、遠慮しときます！」
あら、残念。
こんな話ひとつで顔真っ赤にしちゃう林くんのウブさ、守っていきたい。切実に。
「A〜、記事の確認終わったから帰っていいよ」
「やっと帰れる〜！」
「寝惚けてデータ全部飛ばしたのは誰だったっけ」
「すみませんでした」
私は高速お辞儀をカマし、22時半を過ぎた腕時計をちらりと一瞥。カバンを持つ。忘れ物、無し。
「……林、お前も帰んな。Aのこと送ってあげてよ」
「え、私そんなにヤワじゃないですよ」
河村さんは腕組みを解いて、私を指差した。
「わかりました。お疲れ様です」
真面目な林くんはその言葉を受け取り、同じようにカバンを持つ。撮影終わったからとは言え、なんだか申し訳ない。
お疲れ様です〜、とオフィスを出ると、少し肌寒い。
上着着てくれば良かったな、なんて。まぁデータ吹っ飛ばした私が悪いってことだ。
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See.(プロフ) - ゆゆさん» 初めまして、コメントありがとうございます。ゆっくり気ままにやってきますのでよろしくお願いしますー！ (2020年8月12日 9時) (
レス) id: 1d0369df29 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - はじめまして！こんばんは〜！See.さんの小説いつも楽しく読まさせていただいてます！まだ読みはじめたばかりですが、大好きなお話集なのでこれからも応援してます！頑張ってください！ (2020年8月11日 22時) (レス) id: 91c48177af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：See. | 作成日時：2020年7月30日 18時
