シェイクスピアに憧れた純愛を ｰ 2 ページ19
side.izw(性格注意)
＿＿＿＿＿＿馬鹿だと思った。
高校の、それも新任の教師に惚れるなんて。
昔から馬鹿だったけど、福良センセーに会ってからもっと馬鹿になった。……昔から俺に対して馬鹿になってくれたことなんて、ないのに。
週に3時間の選択授業、数3の時間。俺はそれが嫌い。……ちなみにこんなことを考えてたら例題が解けてなくてAに助け舟を出された。
俺の方が、絶対良いのに。
あんな細長いだけの体で何が守れる？頭なら俺だっていいし。あー、大人の余裕ってやつ？大人なんて、何考えてるかわかんねーだけだろ。
「拓司」
あー、モヤモヤする。にこにこと笑う福良センセーの顔も、間の抜けた声も。
「……拓司？」
毎週毎週楽しそうにしちゃうAも。叶いっこないだろ。なんで辛い方に行くんだよ、昔から。
「拓司！」
「うわっ！？」
耳に劈くそこそこでかい声。それは6限終わりの賑やかな周囲に溶けず、真っ直ぐに鼓膜に響いた。
Aは教材を抱えて、大丈夫？なんて顔で俺を見下ろす。……授業、終わったのか。今日はいつにも増して集中出来なかった。
「……ごめん、ボーッとしてた」
「ほんとにね。…拓司、このあと暇？」
………ん？
「暇なら、ちょっと教えて欲しいとこあんだけど」
いつもならこの曜日の放課後は福良センセーの所行くはず。……それなのに、今日は、俺に？
「……なに、まさかお前分からなかったの？」
俺がそう聞くと、Aは僅かに顔を歪めた。……そうか、この辺の範囲って確か。
「こ、この辺の範囲苦手なの…。明日も数3あるのに、福良先生に情けないとこ見せらんないでしょ」
＿＿＿＿＿＿＿＿チャンスだと、思った。
思わず口角が緩む。我慢しろ、俺。いやしかし、今日はツイてないと思ったけどそうでも無かったみたいだ。
「………ふぅん？」
我慢出来ず、口角は吊り上がる。
……Aが最後に俺を頼ってきたのは何年前だったかを考えると、この反応はしかたのないことだろう。
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See.(プロフ) - ゆゆさん» 初めまして、コメントありがとうございます。ゆっくり気ままにやってきますのでよろしくお願いしますー！ (2020年8月12日 9時) (
レス) id: 1d0369df29 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - はじめまして！こんばんは〜！See.さんの小説いつも楽しく読まさせていただいてます！まだ読みはじめたばかりですが、大好きなお話集なのでこれからも応援してます！頑張ってください！ (2020年8月11日 22時) (レス) id: 91c48177af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：See. | 作成日時：2020年7月30日 18時
