神様、何処で間違えてしまったのでしょうか？ ｰ 5 ページ17
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＿＿＿＿＿＿中学3年生の体育祭の日。
私は、初めて祥彰と2人だけの世界を望んだ。怖くなったのだ。全てが。
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「やっぱAさん覚えるの早いですね〜」
「そ、そう？…ありがとう、渡辺くんのおかげだよ」
「……別にこうちゃんでいいんですよ」
「あー………うん」
あの後伊沢さんと話をして、祥彰と話をして、少し経ってから私もQuizKnockに入った。
日に日に祥彰以外の人との関わりも増えて、私と同じ大学、学部の子も居て。
＿＿＿＿彼と2人だけの世界を望んだのは私だけど、そのままで良いわけは無くて。
自分勝手なのは分かってる。……けど、彼の私へ対する執着は異常だ。まだ暑さの残る体育祭の放課後の、あの、笑顔。
………未だに思い出すだけで鳥肌が立つ。唯一仲の良かった子は、祥彰が執着する私のことを当然のように嫌った。また、1人になった。祥彰しか居ない状況になってしまったのだ。
「………Aさん？」
「わっ……！あ、ご、ごめん」
キーボードを打つ手が止まった私を見て、声を掛けてくれたのは渡辺くん。この子は、祥彰が私に対してだけ異常なのを薄々感じているようで。
……初めてだった。祥彰以外の男の子を信頼しようと思えたのは。
ガチャ。隣のビーズクッションに座る彼に大丈夫だよと口を開こうとすると、嫌に大きく扉の開閉音が響いた。
「……ぁ」
間違いない、この足音は。
「おはようございま〜す」
………祥彰。
周りに居たライターさん達は彼に挨拶を返し、渡辺くんも、私も、軽く挨拶をする。
「あ、A〜。来てたんだ？」
彼は嬉しそうに笑うと、今度は隣に座る渡辺くんを見た。……一瞬だけ見えた冷たい目が、私の指先を震わせる。
「……うん。……ねぇ、分かんないとこあるの。教えてくれる？」
祥彰にそう微笑むと、彼はまた顔を明るくした。
「もちろん！」
私は渡辺くんを見て、「移動して」と目で伝える。渡辺くんと祥彰は仲がいいけれど、最悪の場合だってあるわけで。
渡辺くんは少し顔を歪めて、そして少し息をついてから、笑顔で祥彰に席を譲った。
＿＿＿＿＿渡辺くんは、優しい。今まで触れたことのなかった綺麗な優しさを持っている。
「どこが分かんないの？」
祥彰は笑う。その目の奥には、知りたくもない複雑な感情を孕ませて。
………私は、一生、祥彰と二人だけの世界から抜け出せそうにない。
「………」
その様子を見つめる、優しい瞳に気付かず。
シェイクスピアも憧れた純愛を ｰ fkr.izw→←しかし、チャンスは作らなければやって来ないものでして｡ ｰ 4
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See.(プロフ) - ゆゆさん» 初めまして、コメントありがとうございます。ゆっくり気ままにやってきますのでよろしくお願いしますー！ (2020年8月12日 9時) (
レス) id: 1d0369df29 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - はじめまして！こんばんは〜！See.さんの小説いつも楽しく読まさせていただいてます！まだ読みはじめたばかりですが、大好きなお話集なのでこれからも応援してます！頑張ってください！ (2020年8月11日 22時) (レス) id: 91c48177af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：See. | 作成日時：2020年7月30日 18時
